各民族グループ地域における無料白内障手術
2009年に30年近い内戦が終結したスリランカの復興支援事業として、AMDAではシンハラ、タミル、イスラムタミルの3民族グループに対して、平等に医療を通じて和平を働きかけるAMDA医療和平プロジェクトを実施しています。その一環としてスポーツ交流事業や無料白内障手術プロジェクトを実施しています。
「ローカルイニシアチブ」、「相互扶助」というAMDAの基本理念のもと、スリランカ地元医療機関、スリランカ眼科大学、AMDAスリランカ支部及び台湾IHA(台湾国際医療衛生行動チーム)などの協力を得て、2011年には、北部タミル地域のジャフナ、ポイントペードロで134人、東部パナドゥラで70人に無料白内障手術及び術後健診を2回に分けて実施しました。そして今年2月27から29日には第3次無料白内障手術として東部トリンコマリーで30人の患者に同様の手術を行いました。
手術はトリンコマリー市の国立病院にて、地元医師とAMDA台湾支部長含む3人の医師等によって行われました。30人の患者全員が深刻な白内障を患っており、手術には高い技術力が求められるものでしたが、約20人の医療スタッフの協力のもと、全手術が無事成功しました。この事業のために、支部長が眼科医であるAMDA台湾支部からは、様々な薬や機材などの寄贈を受けました。
手術を待つ患者たち |
協力して手術を行う台湾とスリランカの医師たち |
■AMDAでは、内戦停戦中の2003年から2006年まで、相対する3グループの各地域、ハンバントタ(南部/シンハラ民族地域)、キリノッチ(北部/LTTE・タミルイーラム解放の虎の支配地域)、トリンコマリー(北東部/イスラムタミル地域)で、巡回診療や巡回保健教育活動を実施してきました。2004年末に発生したスマトラ沖大地震津波の被害により各地は津波被災地となりました。津波被災直後から北部・北東部・南部の避難所で心のケアや巡回保健教育を行いながら、食糧や生活物資の配布をしました。
巡回レントゲン車(2003〜2006) |
巡回保健教育(2003〜2006) |