平成23年度静岡県総合防災訓練参加報告(2011/10発行ジャーナル10月秋号掲載) – AMDA(アムダ)
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平成23年度静岡県総合防災訓練参加報告(2011/10発行ジャーナル10月秋号掲載)

平成23年度静岡県総合防災訓練参加報告

AMDAボランティアセンター 参与 竹谷和子

今年8月28日、静岡県牧之原市で行われた総合防災訓練にAMDAは参加をしました。

 

官民合同の大規模な総合防災訓練*注 に1996年以来AMDAは2010年を除き毎年参加しています。今年度も、静岡県からの要請を受け、牧ノ原市において救護所を開設し、牧ノ原市救護班として現地のスタッフや現地医師会等合同で訓練を行いました。AMDAからの参加は埼玉県越谷誠和病院の細村医師をチーフに石岡看護師、美甘看護師、岡山大学医学部学生の木本調整員、本部より竹谷調整員という5名のチーム編成です。

当日、牧ノ原市細江コミュニティーセンターを救護所会場とし、朝8:30地震発生後、模擬患者50名が救護所へ搬送されてきました。救護所内でトリアージ訓練とトリアージ後の各エリアにおける収容・応急処置訓練また最重症患者の中で最も緊急を要する患者の病院搬送等の訓練でした。AMDAチーム細村医師がドクターコマンダーとして全体統括をし、救護所全体及び各エリアの中で適切な助言や指導がされました。その下に地元医師会、歯科医師会、薬剤師会の方々、地元スタッフ、AMDA看護師、調整員がそれぞれの持ち場で訓練にあたりました。

今年度は東日本大震災後で参加者の方々の意識も高く、それぞれの立場でとても真剣な取り組みをされたと思います。AMDAは牧ノ原市行政や医師会等にトリアージ訓練のノウハウを提供し、共働で訓練を行いました。その中で、模擬患者役や医療器具、薬等調整を牧ノ原市で調整していただき助かりました。事前の打ち合わせを含め民間と行政との協力体制がとても大切であることを再確認しました。今後にも活かしていきたいと思います。

実際に災害が起こった場合、現場の大混乱、人手不足、広域における諸機関への連携等、問題も多々見えてきましたが、今後予想される東海地震や東南海地震に備え、防災全体における救護のあり方についての気付きや検証をする良いきっかけになったと思います。

*注:1996年、97年は東京都内で、以降は静岡県内で実施