2011年度AMDAモンゴル国眼科医療奉仕団派遣事業II(2011/10発行ジャーナル10月秋号掲載) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
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2011年度AMDAモンゴル国眼科医療奉仕団派遣事業II(2011/10発行ジャーナル10月秋号掲載)

2011年度AMDAモンゴル国眼科医療奉仕団派遣事業II

 


ウランバートルのCity Opticで健診する
菅波医師

2010年度のモンゴルにおける眼科医療支援活動(検眼師セミナー、白内障手術提供プロジェクト)に続き、モンゴル側からの要請を受け、本年も6月13日から18日まで、モンゴル全土の眼科医、眼鏡関係者を対象に子どもの弱視をテーマに検眼セミナーを実施。さらに8月23日から30日まで眼科支援事業を継続。6月のセミナーを受講した眼科医による弱視の子どもの診断と眼鏡の無償提供を行った。弱視の子どもは内科疾患を持つ傾向があるとの眼科協会の指摘を受け、菅波代表による弱視の子どもの健康相談。眼鏡学校設立に向けて準備を進めるモンゴル側とともに政府関係機関への後押し。日本モンゴル友好病院開設準備、モンゴル赤十字との協力協定締結準備、日本大使館、モンゴル保健省などへの活動報告などを行った。モンゴル保健省からは、AMDAのモンゴルにおけるこれまでの医療支援に対し、同国の保健衛生行政90周年記念メダルが授与された。

弱視の子どもへの眼鏡提供とともに行った菅波代表の健康相談では、1000Km離れた田舎から相談に来た親子もいた。眼鏡の提供を受けた子どもは3歳から17歳の13人。保護者や本人から「良く目が見えるようになった」とか「わざわざ日本から来てくださって本当にありがとう」等のメッセージが寄せられた。

また昨年白内障手術の提供をうけたノモハン事件従軍者の戦争体験談を同行した岡山大学学生8名、モンゴル健康科学大学の医学生4名とともに聞いた。学生から「なぜ戦争をつづける勇気があったのか」と言う質問に「友人が何人も自分の間近で殺されていくのをみると、憎しみが自分に戦争を続けさせた。本来、人はだれも戦争などしたくはない。ただその憎しみが次の憎しみを呼んで戦争をつづける。皆、平和を望んでいるのに世界から戦争がなくならない。次の世代を担うのは、君たちの世代だ。」と気持ちを絞りだすような答えに学生たちは言葉を失った。

そして8月26日には、モンゴル最大のガンダン寺で、AMDA 医療と魂のプログラム、慰霊祭を実施。昨年までは、ノモハン事件戦没者のための平和祈願祭であったが、本年はガンダン寺からの希望で東日本大震災被災者のための慰霊祭となった。

AMDAの様々な活動を通して、モンゴル、日本間の市民間における信頼形成につながったと確信する。