東日本大震災医療支援活動(2011/7発行ジャーナル7月夏号掲載) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

東日本大震災医療支援活動(2011/7発行ジャーナル7月夏号掲載)

東日本大震災医療支援活動

甘い物の持つチカラ

パティスリーシエルブルー 伊藤 嘉浩


仲間と共にケーキを配る筆者(右)

今回、私は仲間のパティシエ1人と義父、知人の4名で4月10日〜13日までの4日間、岩手県釜石市や大槌町などの避難所約10数か所へAMDAさんのご協力のもと行ってきました。

私は大学時代、神戸で阪神大震災を、東京での修行から戻った実家の岡山県玉野市で台風による高潮を経験しました。震災の時も高潮で店が海水に浸かり、製菓用機材の全てを失って絶望的な気持ちになった時も周りの方々からたくさんの優しさをいただき、その中でも実際に訪ねて来てくれた事に心が温かくなった気持ちを今も覚えています。そこで実際に自分が行く事で必ず伝えられる気持ちがあると信じて行動を起こした事が、今回のきっかけとなりました。幸いな事に私の仕事は甘い物を作り出す菓子職人ですので、どうせ行くなら喜んで下さる物をという事で、生クリームたっぷりのイチゴが載ったロールケーキを約2,500食、有志の仲間から集まった焼き菓子約6,000個等を持って現地へと入りました。

活動を通じて、皆さんの笑顔に触れ改めて自分たちの仕事の素晴らしさ、人の心が持つ綺麗な部分など普段の中ではなかなか見えにくい事を再認識させていただいた大変貴重な経験になりました。

 

AMDAの現在の活動

 

梅雨に入った三陸沿岸被災地では、温度の上昇とともに、富栄養化したハエの大型化と異常繁殖が顕著になり、ハエ取り紙や防虫剤の要望が寄せられるようになりました。AMDAではこれに応え、6月下旬大槌町と南三陸町にリボンハエ取り1550個、防虫剤や虫よけネット、蚊取り線香など200個、ハエたたき100個などを配りました。

AMDAでは現在、巡回鍼灸治療、再開を果たした地元の医療機関への支援などの医療支援と、スポーツ交流など心の支援、そして被災地の高校生らを対象とするAMDA東日本大震災国際奨学金の大きく分けて3つの分野の活動を継続実施しています。7月18日から、宮城県南三陸町の公立志津川病院の支援に看護師、心理士が再び入ることを皮切りに、岩手県大槌町の県立大槌病院にも医療専門家の派遣が予定されています。医療と心の絆づくりの両面からの支援を継続していきます。


再開した仮設公立志津川病院
(宮城県南三陸町)

7月10日から再度大槌町に入った高橋徳医師(左)
と佐々木賀奈子さんによる避難所での鍼灸治療

ビタミン剤を配る高岡医師

再開準備中の植田医院

 

AMDA大槌クラブ設立

AMDAの活動拠点のひとつ岩手県上閉伊郡大槌町でAMDA大槌クラブが結成されました。
6月24日、設立の会が開かれ、「ひとつになっぺぁ!大槌クラブ」を合言葉に、地域での活動を始めていくことになります。


AMDA大槌クラブの皆さん

AMDA大槌クラブの高校生のみなさん

 

AMDAホームページ 多言語発信

AMDAのホームページでは従来、日・英・仏の3言語発信でしたが、東日本大震での活動から、AMDA国際医療情報センターの協力により活動報告の抜粋を14の言語で掲載しています。http://www.amdainternational.com/

国際医療情報センターは今年設立20周年を迎え、5月21日に記念の集いが東京で開かれました。第2部では東日本大震災緊急医療支援活動の報告を、第2回市民参加型人道支援外交円卓会議として行いました。