パキスタン洪水緊急医療救援活動(2010/10発行ジャーナル10月秋号掲載) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

パキスタン洪水緊急医療救援活動(2010/10発行ジャーナル10月秋号掲載)

パキスタン洪水緊急医療救援活動

 


巡回診療する菅波代表(タッタ県)

巡回診療中の米田医師(タッタ県)

アフガニスタン支部による巡回診療(アザクヘル)

虚弱児を診る渕崎医師(タッタ県)

パキスタンでは7月下旬から続く大雨により、建国史上最悪といわれる水害に見舞われました。国連緊急援助調整官室の情報によると、9月1日時点で、被災者約1800万人、死者推定1600人余り、破損家屋120万戸以上にのぼりました。洪水被害は北西部から南部に渡り、パキスタンの全122県のうち79県が被災しました。AMDAは9月2日にAMDAアフガニスタン支部の医師2人をイスラマバードに派遣しました。現地協力団体NRSP(National Rural Support Programme)との協議の後、アフガニスタン医療チームの医師2人・看護師2人が9月6日から旧北西辺境州ノウシェラ県のアフガニスタン難民が多く避難するアザクヘル(ペシャワールから15km)で巡回診療を開始しました。アフガニスタンチームは9月6日から9月30日までノウシェラ県内の避難キャンプで巡回診療を行い、2464人を診療しました。当初懸念されていたコレラやマラリア患者はいるものの、洪水による流行といえるものではなく、主な疾患としては下痢、急性呼吸器感染症・耳鼻疾患、皮膚疾患、眼科疾患が目立ちました。
 

9月16日からは南東部シンド州タッタ県に日本からの第1次医療チームとして医師2人、看護師1人、調整員2人を派遣しました。9月24日にはAMDAインドネシア支部の医師2人・看護師1人がタッタ県の巡回診療活動に合流し、9月29日からは第1医療チームに代わり、第2次日本医療チームの医師2人、看護師1人、調整員1人と、AMDAバングラデシュ支部の医師1人・医療助手1人・調整員1人がタッタ県での活動を引き継ぎました。9月17日から10月2日までの診療患者数1476人。主な疾患は、関節痛や腰痛、風邪・呼吸器感染症、皮膚疾患、胃炎など上部消化管疾患。
 

アフガニスタン・インドネシア・バングラデシュのイスラム圏の支部と日本の計4か国から20人の医療従事者等を派遣しています。ご支援よろしくお願いします。(10月2日現在)