バングラデシュ・サイクロン被災者に対する緊急支援活動(2009/7発行ジャーナル7月夏号掲載) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

バングラデシュ・サイクロン被災者に対する緊急支援活動(2009/7発行ジャーナル7月夏号掲載)

バングラデシュ・サイクロン被災者に対する緊急支援活動


支援物資の配布を待つ被災者

被災者の血圧を測定する医療助手

 5月25日、バングラデシュとインドの国境沿いを北上したサイクロン「アイラ」により、バングラデシュ国内では、死者180人、負傷者7、103人、損壊家屋約60万戸という甚大な被害が発生しました(6月4日バングラデシュ政府発表)。

 5月29日、AMDA本部は緊急支援を実施することを決定し、6月1日、AMDAバングラデシュ支部は、ダッカから約200キロ南に位置する被災地、バリサル管区バルグナ県南部の5村で支援活動を開始しました。

 被災地では、主に緊急支援物資の配布と医療助手による医療サービスの提供を実施しました。6月1日、チャリタトリ村では、約200人の被災者に対し、経口保水塩600袋、浄水剤1000錠、栄養強化ビスケット200袋を配布しました。2日には、ファリシャトリ村とウルグニア村、3日こはジェナイバリア村、4日にはバシュキ村で、上記支援物資に加え、衣類を配布しました。また、緊急支援物資の配布に加え、医療助手が、裂傷などを負った被災者に対して、簡単な医療処置を施しました。

 バルグナ県はサイクロンによる死者はいなかったものの、決壊した堤防の総距離が最も長かったため洪水による住民の家財損失が大きく、安全な水の確保も難しくなっていました。そのため、浄化剤の提供により安全な飲料水を確保できるように努め、また、栄養強化ビスケットの提供により避難生活による不足しがちな栄養を摂取できるようにしました。下痢などの症状を起こしている人に対しては、経口保水塩を提供し、脱水症状を防ぐよう努めました。

 6月1日から4日までの間に、住民約2、300人に緊急支援物資を提供しました。活動を実施した村々では、それまで支援が行き届いていないこともあり、地元政府から大変感謝されました。