中国四川省大地震被災者救援活動
TaiwanHAの顧問、菅波代表、部長、科長(右から) |
仮設診療所で診療 (四川省綿陽市安県近郊) |
死者約7万人に上る大地震(5月12日発生)に対する緊急医療支援活動には、「中国語が話せることと中華人民共和国の医師免許」が求められました。
幸いにも、AMDAには三つの可能性がありました。一つは1996年2月に発生した雲南省大震災緊急救援と四川省・青海省雪害緊急救援を実施した時の人間関係が、四川省成都市と徳陽市に残っていました。二つはAMDA台湾支部で、中国本土での医療ビジネスを展開するために中国の医師免許を持っていました。三つはAMDA上海の存在でした。最初のグループは5月14日、スーファン市の避難所となっていた体育館で、調整員1人・医師1人・看護師2人の4人のチームとして診療活動を開始。 二つ目のAMDA台湾グループは、5月15〜16日に成都空港に到着し、綿陽市の避難キャンプでの仮設診療、四川大学西華病院や四川中医薬大学付属病院で、骨折や打撲の整形外科手術や被災者の精神的後遺症の治療を実施。合計11人の医師と8人の看護師を派遣しました。雲南省大震災緊急救援にも参加していただいた汪達紘医師(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科公衆衛生学教室助教)を派遣することにより、被災地での調整能力が増強しました。
5月14日から6月30日で、2,289人の外科診察を行ない、535人が心理カウンセリングに参加しました。三つ目のAMDA上海グループには、最後まで救援活動の機会が来なかったのは残念でした。
中国政府は海外からの救援医療チームには厳しい対応でした。2007年9月に締結した台湾の「私立病院・診療所協会」とAMDA本部との災害相互支援協定により、同協会から中国の医師免許を持つ多数の医師と看護師が派遣されたのは幸いでした。
菅波茂AMDAグループ代表らが、7月15・16日台北を訪問、台湾の外務省や保健省の職員で構成される台湾国際医衛行動團隊(Taiwan International Health Action: TaiwanIHA)を表敬し、顧問や副会長、国際協力部長、国際協力部科長と対談しました。TaiwanIHAは、AMDAの緊急救援活動を高く評価し、今後の緊急医療チーム派遣を念頭に、両者間で災害相互支援協定を結ぶことが決定しました。協定により、台湾の私立医療機関だけでなく、政府系医療機関からも医療従事者を招集することが可能になります。
今後の予定として、日中青年交流協会との連携によるチベット住民被災地区での巡回診療、四川省中医薬科学院との協定による皮膚病治療の共同研究、金光教平和センターとの生活物資支援を検討しています。皆様方の暖かいご理解とご支援をお願いします。
感謝状
AMDA 殿
四川省中西医結合医院
2008年6月10日 |