連載インタビュー「支える喜び」シリーズ第14回 国連NGO・ネットワーク『地球村』代表 高木 善之様
AMDAを支えてくださっている支援者の皆様に、インタビュー形式で様々なエピソードをお伺いしている「支える喜び」シリーズ。14回目となる今回は国連NGO・ネットワーク『地球村』(大阪市北区)の代表として、長年にわたりAMDAを支援してくださっている高木善之さんにお話を伺いました。
交通事故で人生観が一変
AMDA 本日はお忙しい中、ありがとうございます。AMDAには度重なるご支援をいただき、感謝しています。高木 AMDAとの関わりは2003年、岡山市で平和イベントを開いた際、菅波茂代表をゲストにお招きしたのがきっかけです。偶然、前日にイラン大地震が発生し、急きょ、イベントの参加者に募金をお願いしたのが支援のスタートでした。菅波代表は立派な活動実績があり信頼できる人。その後も定期的に支援させてもらうことにしました。
AMDA 高木さんは交通事故をきっかけに人生観が変わったとお聞きしています。
高木 私が33歳の時、オートバイに乗っていて信号無視の車に正面衝突され、意識不明の重体となりました。約1年間、寝たきりの状態で入院。その間、「後悔しない生き方とは」「世の中のために何かをしたい」と自問自答して過ごしました。社会復帰し、勤務先のパナソニックで成果を上げたことから社長スタッフに抜擢され、フロン全廃、森林保全など環境政策を推進しました。
『地球村』の基本理念は“非対立”
AMDA 『地球村』は1991年設立。基本理念は「非対立」とされています。高木 抗議や要求、主義主張、論争といった対立的な姿勢はいい結果につながらないので、「非対立」を基本として「事実を伝える、提案する、実践する、協力する」などの提言をしています。
AMDA 『地球村』は「永続可能な社会」を目ざし、地球環境、人道支援、飢餓貧困対策、緊急支援の4項目を柱に活動されていますが、最も力を入れられている取り組みは何でしょうか。
高木 人道支援です。貧しい国では、貧困ゆえに少年、少女が人身売買され、売春宿に売られたり、農園で働かされたりしています。売春宿の利用客に日本人も少なくありません。この事実を世界各国は正面から見つめてほしい。早急に子どもたちを救出しなければなりません。
講演活動は1万回以上に
AMDA グローバルな立場でリオ地球サミット、欧州環境会議などに出席し「地球市民連合」を提唱されるなど活発に活動されています。高木 事実を伝え、社会を少しでもよくするため、これまで50冊の書籍を出版、講演回数は1万回以上になります。ふだんの生活は、講演活動と執筆、情報の受信と発信がほとんどですね。この活動の前はストレスで十二指腸潰瘍になったりしましたが、今は人生観と自分の行動が一致しているためか、体調を崩すことは全くありません。
AMDA 全日本合唱コンクールでは指揮者として金賞を受賞されるなど素晴らしい才能をお持ちですが、今はすべてを捨てて自分の信念を貫いておられます。頭が下がる思いがします。AMDAも一層の努力を重ねてまいります。引き続きご支援をよろしくお願いします。(インタビュー内の敬称は省略させていただきました)