カタンドゥアネスを支援しよう: フィリピン台風19号被災者支援活動報告 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

カタンドゥアネスを支援しよう: フィリピン台風19号被災者支援活動報告

アジア医学生協議会(AMSA)ジョネルタ支部
AMSAジョネルタ支部会長 カレン・マルティネス

台風19号の被災者に対する支援活動を行ったAMSAジョネルタ支部会長のカレン・マルティネス氏から届いた報告を以下にご紹介します。この活動は、AMDAフィリピン支部と協力してAMSAジョネルタ支部が中心となり集めた寄付金をもとに活動が行われました。

活動を主導したマルティネス氏は、「私たちは、まだ政府や他のNGOからの支援が届いていなかった地域に支援を行いました。災害への即座の対応として短期的に行った支援活動ではありましたが、支援規模が大きいか小さいかに関わらずカタンデゥアネス島の被災者に大変喜ばれました。台風19号(現地名:台風ローリー)は、災害に対する備えが脆弱な地域に大きな被害を及ぼす多くの台風の内の1つに過ぎません。AMSAジョネルタ支部は、政策を通じた気候変動への対応も必要であるという信念のもと、今回は緊急支援活動を行うことで災害に対応しました。」と話しました。

活動の詳細はこちら: https://amda.or.jp/articlelist/?work_id=6836

 

1.プロジェクト概要


AMSAジョネルタ支部が
SNS上で配信した広告
その後現地協力団体によって
シェアされた

フィリピン・ビコール地方にあるカタンドゥアネス島は2020年11月1日、台風19号(現地名:ロリー)による壊滅的な被害を受けました。この島は別名「風吠える島」として知られています。2020年に発生した台風のうち、最も大型の台風といわれる台風19号は、島の全土に渡って大規模な停電を引き起こしました。また電話やインターネットなど、通信面にも大きな障害をもたらし、フィリピン政府や現地メディアは約三日間に渡って被災地との通信を遮断されました。

一方、漁業関係者が所有するモーターボートや農家の田畑などにも甚大な被害が及び、復興には時間がかかると予想されます。現時点における自治体の推定によれば、深刻な影響を被った世帯の数は15,000世帯に上り、被害総額は、インフラ面では7億ペソ、農業においては6億ペソに達するということです。

2020年11月6日時点で、地すべりによる通行止めでたどり着けない自治体が6つあり確認できていないため、被災家屋の数ならびに今回の台風で亡くなった人の数は今後も増える可能性がありました。また、島全土における電力供給の再開の目途も立っていませんでした。このような状況を受け、AMSAジョネルタ支部はAMDAフィリピン支部やその他の現地団体と協力して、募金活動と物資支援を行うことになりました。

 


被災後のカタンドゥアネス島(物資支援を配布した人たちの家)
(写真提供:Radyo Pilipinas氏(カタンドゥアネス))

 

2.活動内容

A. 協力団体:AMDAフィリピン支部、フィリピン大学カタンドゥアン・ロスバノス(UP Catandungan Los Banos)、パーペチュアル・ヘルプ大学JFSM学生委員会(UPHR-JFSM Student Council)
B. 対象受益者: 263世帯(カタンドゥアネス島ヴィラク町バリテ地区)
C. 活動詳細:

タスク 場所 日付
寄付の呼び掛け・資金調達 ラスピニャス市 2020/11/02-11/04
物資調達
卸業者が直接納入 2020/11/04
その他の物資に関しては別途リストを参照 食料品店 2020/11/04-11/06
物資の仕分け・梱包
1世帯につき、全品目1セットをエコバッグに梱包 マニラ市内ビノンド地区 2020/11/05-11/06
輸送
マニラ市内からアルバイ州タバコ港へ6輪トラック二台で輸送 2020/11/06 (11PM-)
タバコ港からカタンドゥアネス港へ、6輪トラック二台で輸送
カタンドゥアネス・サンアンドレスから、ヴィラク町バリテ地区まで輸送
物資の配布
被災世帯への物資配付  ヴィラク町バリテ地区
事務作業 ヴィラク町バリテ地区

 


支援物資(食料品)の梱包時の様子


マニラ市内ビノンドでの物資の輸送準備

■支援物資リスト(一世帯あたり、全品目を含む支援物資1セットを配布)

物資
米1袋 (25 kg) イワシの缶詰 加工肉の缶詰
焼きそば チキンラーメン インスタント米麺(大)
エネルギービスケット ミロ シリアルチョコ
コーヒーキャンディー 手洗い用石鹸