新型コロナウイルス感染症の影響に対する支援活動~AMDAピースクリニックでの緊急食糧支援3~ – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

新型コロナウイルス感染症の影響に対する支援活動~AMDAピースクリニックでの緊急食糧支援3~


新型コロナウイルス感染拡大が続くインド。大都市コルカタを抱える西ベンガル州では7月末まで緩和措置付き都市封鎖の延長が決まっています。一方、AMDAピースクリニック(APC)があるインド東部ビハール州ブッダガヤは、少しずつ経済活動が再開、建築関係の日雇い労働者は、徐々に仕事に戻っています。しかしながら、失業者は未だ多く、観光客がいないブッダガヤの町も閑散としています。このような状況が続く中、第2回目となる緊急食糧支援を6月23日に行いました。

APCに登録している妊産婦48人と元APCスタッフのベーダ氏が運営する「お年寄りの家」に、AMDAは野菜を配布しました。今週は、豆(1kg)、ジャガイモ(1kg)、にがうり(1.25Kg)、ほうれん草(1kg)、唐辛子(100g)。また、政府による米や小麦の支援を受けられていない人には米(5?)も併せてお渡ししました。調味料は、すでに先週2週間分提供したので、次週配布予定です。


現状を憂う、APC現地スタッフのバビータ氏は以下のように語りました。

AMDAピースクリニック現地スタッフ バビータ氏の言葉

以前は、妊産婦の夫や家族は、地元の寺院、NGOや学校に勤めていたり、建築関係の日雇い労働や観光業で生計を立てていました。日々の食に困っているという話は聞いたことがなく、皆、幸せに暮らしていたと思います。

この感染症蔓延後、妊産婦の生活は一変しました。インド政府が都市封鎖を課した際、失業したり、観光客が来なくなり、収入源を失うことは想像していませんでした。数日間食べていくのには困りませんでしたが、職を失ったことによる金銭的理由から、妊産婦家庭でもだんだん食料を確保するのが難しくなりました。政府から提供される米や小麦、地元NGOから不定期で限られた期間のみに配布される食糧で食いつないできたようです。『1日に2回食べられない時がある。今となっては以前の生活が夢のようだ。』と話す妊婦もいました。

元々、APCは妊産婦健診を中心とした支援を行っているため、登録している妊産婦が今どのような状況に置かれているか、すぐにわかりました。この食糧支援は彼女たちへの大きな支えになります。本当に困っている時に食糧を提供できることは、APCで仕事をする私にとっても嬉しいことです。妊産婦のお母さんたちが十分な栄養摂取ができることで、胎児または新生児にも十分な栄養が行渡ることを願っています。