新しく建設された巨大な防潮堤
東日本大震災後、継続したご支援をいただいているおかやまコープ様が東北視察の中でAMDAの活動地の一つである岩手県大槌町を訪問しました。その様子をご紹介します。
1.AMDA大槌健康サポートセンター長 佐々木さんを訪問
おかやまコープが提供した車両は教室事業で使う荷物の運搬などに役立てられていた。
実際津波が襲ってきた堤防や、未だに残る仮設住宅なども見ることができた。とても穏やかな海や町並みを見ると、テレビで見た映像が信じられず、より一層恐怖を感じた。
2019年6月に完成したという「交流センター」には、震災の資料が展示されるとともに、図書館や交流空間が設けられており災害時の避難所にもなる。
2. 感じたこと
震災から8年。なかなか行く機会がなく、今回初めて被災地を訪問することができました。昨年の「西日本豪雨」にまつわる活動に関わる中で、全国生協や他県ボランティアさんとのつながりを感じ、少しでも「恩返し」ができたら、という気持ちが強くなりました。災害は辛い経験ですが、それを通じて感じる「人のあたたかさ」、「恩返しの連鎖」を感じられたことは大変貴重な経験でした。
大きな災害を経験したからこその言葉は一言ひとことに重みがありましたが、一番印象に残っているのは、田老観光ホテル震災遺構ガイドさんの「多くの方が忘れ物や貴重品を取りに帰って亡くなられた」というお話から「通帳は何度でも再発行できる。でも命の再発行はできない。命より大切なものはないんです」という言葉です。今年も全国各地で大規模災害が発生し「命を守る行動」という言葉が流行語にもノミネートされているようですが、まさにそのことだと認識を新たにしました。
災害の少ない岡山県人、その中でも特に私は意識の低い方だったと思います。自分が非食商品部に所属していたとき、非常食や防災セットなどを取り扱っていたにも関わらず1度も購入することはありませんでした。「教訓を伝える」ということは災害を経験したり、被災地を実際訪問したりした人の義務であると思います。まずは自分自身の行動と意識を見直し、私のような人の意識を変えていく、経験を伝えることをまずはやっていこうと思います。
岩手で出会った方々は本当に素敵で、温かく、今後の人生でもずっとつながっていきたいと思える方々ばかりでした。この縁を大切にし、何かあった時は助け合える、駆け付けられる関係を続けていきたいと思います。これからも「応援していきたい」という気持ちが強くなり、これをきっかけに、今後プライベートでもぜひ訪れたい町のひとつになりました。
また、「伝えること」の大切さ、重みを実感したからこそ、現在の機関運営・広報室という部署を生かし、業務の中でも生かしていこうと決意を新たにしました。今回頂いた「恩」はそれ以上にして返していきたいと心から思っています。