「善意の絆・相互扶助」【Vol.09】 村木 理英氏(有限会社アイ薬局社長) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

「善意の絆・相互扶助」【Vol.09】 村木 理英氏(有限会社アイ薬局社長)


避難所に出向いて処方薬を調剤し、被災者に直接、薬を提供する「移動薬局車両」。全国で11台、岡山県内では1台しかない高額な車両で、西日本豪雨で大活躍をしました。所有しているのは有限会社アイ薬局(総社市門田)の村木理英社長。移動薬局車両を導入したきっかけや企業理念、地域医療の在り方などを伺いしました。

AMDA

移動薬局車両を導入した理由を教えてください。

村木社長

そもそも移動薬局車両は2011年の東日本大震災をきっかけに開発されました。弊社では中古の救急車を改造し、2018年2月に整備しました。避難所での医療活動を医師と薬剤師が分担すれば、医師は必要な治療を効率的に行えると考え、導入を決意しました。

AMDA

今回が初出動ですね。

村木社長

そうです。7月11日から21日まで、倉敷市真備町の避難所・岡田小学校に出向きました。薬剤師として、災害処方箋をもとに調剤や投薬を行い、相談業務も行いました。

AMDA

住民からは「機動力を生かし、迅速に薬を出してもらった」「避難所に薬局があると安心する」と好評でした。ところで、近い将来、発生が懸念される南海トラフ地震の準備でも、お世話になっています。

村木社長

AMDAさんとは2017年12月、災害時の連携協力協定を締結しており、万一の際、薬剤師の派遣と薬を提供できるよう対応を進めています。

AMDA

アイ薬局は1997年3月に設立されていますが、名称にはどんな思いを込められたのでしょうか。

村木社長

50音の最初の文字の「ア」と「イ」から取りました。お客様のニーズを先取りするという意味で、住民の方から「アイ薬局がないと困る」と言っていただける地域に密着した薬局を目指しています。

AMDA

総社と真庭、倉敷市に4店舗を持ち、12人の薬剤師を抱えておられます。これからの地域医療の在り方を聞かせてください。

村木社長

近隣の薬局とコラボレーションをして、地域のために何をすることが最適かということを考える「協創」が必要であると感じています。そういう意味で「地域医療の架け橋」となることを理想としています。

AMDA

最後になりましたが、西日本豪雨の教訓があれば教えてください

村木社長

まず第一に、被災された方の生活が確立されることを願っています。今回の豪雨で岡山の“安全神話”が吹っ飛びましたが、今後はもっと住民の方の日頃の防災意識を、もっと高めていけるよう、私も微力ながら力を尽くしていきたいと思っています。

(聞き手・広報担当参与 今井康人)