世界屈指の「相互扶助」社会福祉政策 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

世界屈指の「相互扶助」社会福祉政策


今月3日。総社市の国民宿舎サンロード吉備路で「全国屈指福祉フォーラム」が市とAMDAの共催で行われた。加藤勝信厚生労働相、加藤保博総社市議会議長、小野泰弘元県議会議長、江本公一県議、片岡聡一市長があいさつし、市議の紹介に続き「総社市の福祉政策」のビデオが紹介された。内容は、「子育て王国そうじゃ」、待機児童ゼロ、障がい者千五百人雇用推進、新生活交通「雪舟くん」、高齢者雇用、健康インセンティブ、大規模災害被災地支援など。結果として人口が増えている。なお、市の福祉行政には、職員の名刺に描かれている五重塔に代表される、聖武天皇が仏教の慈悲の心を広布する為に全国展開した国分寺の地である歴史。さらには、橋本龍伍元厚労相から橋本龍太郎元首相、橋本元首相の秘書だった片岡市長と受け継がれてきた福祉の系譜が交差する精神風土が影響していることを理解していただきたい。

引き続きパネルディスカッションを開催。パネラリストは蒲原基道・厚労省事務次官、葛西健・世界保健機構(WHO)西太平洋地域事務局事業統括部長、松田久・岡山経済同友会代表幹事、片岡市長。コーディネーターは筆者が務めた。蒲原氏は「このすばらしい福祉政策の業績を総社市民が当たり前と思っているすごさ」、葛西氏は「この福祉業績の世界への紹介」、松田氏からは「総社市とジュネーブの国連諸機関との協力体制の推進」などの発言があった。片岡市長も「雇用事業による障がい者の社会参加は企業誘致以上の意義がある」と言及し、筆者は「WHOが定義する健康についての重要な社会参加を具現化した最先端の業績だ」と評価した。

蒲原氏は厚労行政の事務方の責任者、葛西氏はWHO西太平洋地域事務局のナンバー2である。葛西氏は「世界各国が常に注目している日本の健康、福祉行政をもっと積極的に世界に紹介・活用させたい」と意気込む。途中で葛西氏がWHO西太平洋地域事務局の次期事務局長選挙の最有力候補であることが紹介され、蒲原氏からは葛西氏が立候補すれば積極的に支援するとの力強い発言があった。

ちなみに、AMDAと葛西氏との最初の接点は1995年にAMDAのルワンダ難民支援医療活動が東京で発表された場だった。厚生省職員として参加されていた。以後、ご指導をいただいている。総社市の先進的な取り組みを世界に紹介していただければ望外の喜びである。

AMDAは「西のジュネーブ、東の岡山」をスローガンに掲げて国際貢献NGOサミットを外務省、岡山県、岡山市、倉敷市の支援の下に1994年から12年間開催してきた。総社市も岡山の地である。市長、市議会と総社市民がハンディキャップをもった市民の社会参加を条例制定の下に推進している。条例とは市民の総意である。フォーラムの最後に「世界屈指の福祉フォーラム」に修正することを提案。圧倒的な会場からの拍手で賛同が得られた。AMDAは2006年に国連経済社会理事会総合協議資格を認められた。日本のNPOとしてはAMDAだけである。この国連諸機関に政策提言できる資格を活用して、総社市の社会福祉政策を世界にアピールしたい。

夢童は最終回である。毎日新聞岡山支局と読者の方々に心から感謝申し上げたい。