国際医療貢献プラットフォームの具現化 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

国際医療貢献プラットフォームの具現化


2016年7月24日。岡山国際交流センター国際会議室で第4回国際医療貢献フォーラムが開かれた。3自治体、46団体から123名が参加。活発な論議と意見交換を踏まえ、佐野俊二代表世話人から未来志向の「国際医療貢献プラットフォーム」構想が提唱された。国際医療貢献フォーラムに参加している団体の活動実績を主な基盤に次の3つの活動を考えている。

1.「平均寿命世界一」〜Local Initiativesに基づいて医療、福祉、介護関連の教育と先端医療技術、そして医療関連システム(地区医師会)等の移転により世界平和に寄与する
2.「開かれた相互扶助」〜市民参加型人道支援(外交)により世界平和に寄与する
3.世界平和に寄与するミッション産業を育成する。岡山経済同友会との連携が特徴である―。

ちなみに、国際医療協力と国際医療貢献の違いを説明しておきたい。1990年に勃発した湾岸戦争の時に日本は多国籍軍に1兆4千億円も拠出した。しかし、戦後にクエートが米国の新聞に掲載した感謝広告の30カ国に日本の名前がなかった。「なぜだ!」日本中が大騒ぎになった。

答えは簡単である。米国もクエートも1神教徒が多い国である。1神教では神の預言としてのメッセージがなければどんな行動も妄動とされる。日本の従来の国際協力にはメッセージがないから評価されなかったのだと思う。

国際医療貢献はメッセージに基づいた国際医療協力である。AMDAの提唱するメッセージは「開かれた相互扶助」である。

1993年、国連難民高等弁務官の緒方貞子氏がオスロ宣言で触れた。それは、国連機関と国際NGOはローカルNGOと協力しなければいけない。なぜなら、国連機関と国際NGOの撤収後に難民の世話をするのはローカルNGOだから、というものだった。

これが「西のジュネーブ、東の岡山」構想の契機である。人権をベースにした人道支援に関する国連諸機関と国際NGOの集積地であるジュネーブに対して、岡山を相互扶助をベースにしたローカルNGOのハブにして、AMDAが両都市を結ぶことにより世界平和への人道支援を推進する内容である。

2006年にAMDAが国連経済社会理事会総合協議資格を認定された。これによりこの構想の基本的な仕組みは完成している。岡山を相互扶助をベースにしたローカルNGOのハブにするために外務省、岡山県、岡山市、倉敷市等の支援の下に岡山県下の団体が参加してアジア、アフリカそして中南米のNGOを招へいして国際貢献NGOサミットを1994年から12年間にわたり毎年開催した。医療、教育、宗教そして環境の分野における複数の国際ネットワークを構築することができた。「国際医療貢献プラットフォーム」構想はその延長線上に位置する。

「西のジュネーブ、東の岡山」構想を裏付ける活動として、2002年に石井正弘知事のもとに制定された岡山県国際貢献推進条例に基づく「国際医療貢献プラットフォーム」と「AMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム」を紹介することができれば幸いである。なお、海外における対応組織としてはGPSP(Global Partnership for Sustainable Peace)がある。 AMDAの平和の定義に基づいて平和構築、生活支援、健康支援、そして健康増進の4分野に、関連の団体のプロジェクト・プログラム志向ネットワークの形成を目的としている。

「西のジュネーブ、東の岡山」構想のもとに「国際医療貢献プラットフォーム」をベースにした活動が岡山・日本発世界平和への発信となれば望外の喜びである。