海外ともつながる有機農業 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

海外ともつながる有機農業


2011年にAMDAは『食は命の源』というコンセプトの下、アジアに有機農業を啓蒙・普及することを目的とするフードプログラムを立ち上げ、岡山県新庄村の野土路地区で有機農業をスタートさせました。当時新庄村で働いていた私は、AMDAのイベントのお手伝いをさせていただく機会がありましした。緊急救援活動のほか海外からの農業研修生を受け入れるなど、海外とつながる活動をしているAMDAはとても魅力的でした。これをきっかけにAMDAへの入職を希望しました。早いもので、間もなく入職から2年が経とうとしています。AMDAで働かせていただいたおかげで、今まで出会わなかった人と出会い、多くの貴重な経験ができ、とても充実した日々でした。

入職1年目の2014年には自治体国際化協会様から助成を受け、新庄村とAMDAの協働事業でフィリピンから農業技術者を2名招聘しました。約5ヶ月間 AMDA野土路農場を中心に日本の有機農業をお伝えしたり、逆に私たち野土路農場スタッフがフィリピンの有機農業技術を教えてもらったりしました。

また同じ年の11月には、インドネシアにあるAMDAマリノ農場へ、さらに翌年の2015年2月にはフィリピンへ、新庄村で有機農業に真摯に取り組む日本人農業技術者と共に海外へ行き日本の農業技術を伝える機会に恵まれました。インドネシアでは土着菌を利用した野菜の病害虫防除液づくりや堆肥小屋づくり、フィリピンでは土壌改良技術である太陽熱養生処理技術などをお伝えしました。


そして昨年末の12月〜2016年1月の2ヶ月間、経済産業省の国際即戦力育成事業によりベトナムにインターンシップとして派遣してもらえました。インターン先は、ニコニコヤサイという日系企業で、ベトナムの南部ホーチミンから北に飛行機で1時間ほど離れたバンメトートという中部高原地域にある都市にありました。そこでは、自社農場で農薬や化学肥料を使わずに野菜を栽培している他、同じように有機栽培をしている数軒の農家さんから野菜を購入し、都市部に出荷していました。
ベトナムでは今有機農業に注目が集まっているのですが、熱い思いでニコニコヤサイ農場に研修にやってくるたくさんの若手農家さんからたくさんの刺激をもらいました。
また私がフィリピンの農家さんから教わった発酵液肥や、新庄村の農家さんから教わりインドネシアマリノ農場で効果の見られた病害虫防除液の作り方をお伝えするととても喜ばれ、自社農場でもやってみたいし、他の農家さんたちにも伝えますと感謝されました。私はAMDAでのこれまでの経験を活かし役立てることができたことをとても嬉しく思いました。

AMDAが有機農業を普及するこのフードプログラムがあったおかげで新庄村やフィリピン、インドネシア、ベトナムの農家さんと技術や情報を共有することができ、また有機農業に取り組む農家さんたちと悩みや希望などの思いを共有することができたと思います。
私の力だけでは何もできませんが、AMDAのスタッフやボランティアさん、私たちの活動を応援して下さる多くの皆様からの支えがあってこそ、これまでの活動ができたと感謝しております。これからもご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。

AMDAフードプログラム・技官 浅田 歩