平成27年度岡山県国際貢献ローカル・トゥ・ローカル技術移転事業のNGO枠に、AMDAの提案が採択され、ルワンダ共和国で「学校健診を普及させること」、そして「母子保健を充実させること」を目的としたルワンダ人医師の研修が行われることを前回のブログでお知らせしました。
その研修も岡山県内の医療機関、行政機関、教育機関の方々のご尽力をいただき、いよいよ終わりに近づいてきました。
今回来日したルワンダの医師、カリオペ先生は、来日前と今では、自分の考え方や心の持ちようが180度変わったと言っています。
これは、子ども達の健康に懸命に関わっていらっしゃる方々に出逢い、その現場に立ち会うことで、それぞれの皆さんの使命感に対する感動から導かれ、湧きあがってきたものだと思います。
研修中は、学校保健法の仕組みを取り入れるために、一言も漏らさないように説明に傾注し、ボランティアという概念のないルワンダと、80才を超えても現役と変わらずボランティアをしている日本のお年寄りの活力に驚嘆し、町の将来を見据えて子どもを大切にする行政に感心し、小児科医であることへの誇りと責任感に心ふるわせ、養護教諭が天職という言葉に自分の天職を探求しはじめ、2か月という月日はあっという間に過ぎました。
カリオペ先生は、「これまで、自分のためにと考えていたことが、社会のためにと考えるようになった」とおっしゃってました。
研修を受けただけではその経験は活かせません。
研修の成果を最大限に活かすにはこのような感動によって引き起こされた「何かを変えたい」と思う勇気が必要だとおもいます。
この勇気を、今回の経験から生まれた情熱と感動が支えてくれることでしょう。
この経験をルワンダに戻ってどのように活かしてくださるかこれからが楽しみです。
ルワンダは、悲しい大虐殺の歴史から20年が過ぎ、平和がいかに貴重で脆弱であるかを歴史から学びました。
そしてその復興に向けた人々の希望を叶えるために盤石な布陣(政治体制)を敷いて、今やアフリカのお手本と言われる国に成長しました。
アフリカの中心に位置するルワンダからカリオペ先生のこの情熱が一人でも多くの人に広がり、学校健診が制度化され、子供たちの健康につながることが夢から目標に変わった瞬間でした。
最後になりましたが、この事業にご協力をいただきました岡山県、岡山大学大学院環境生命科学研究科、岡山県国際交流協会、岡山県教育庁保健体育課、岡山県済生会総合病院、岡山市保健所健康づくり課、岡山市教育委員会保健体育課、総社市保健福祉部こども課、総社市教育委員会学校教育課、総社市立常盤小学校、ノートルダム清心女子大学附属小学校、国立岡山医療センター、ももたろうクリニック、高杉こどもクリニック、福島県立大学病院、ワールドオプティックカレッジ、その他、多くの方々に心より感謝申し上げます。