ベトナムでのAMDA初のプロジェクトとなった
96年メコン川洪水緊急医療 救援。
2014年8月26日と27日にベトナムのホーチミン市にある175軍病院の副院長(大佐・麻酔科医)をリーダーとした医療および介護視察団が、岡山では社会福祉法人恩賜財団済生会支部岡山県済生会(岩本一寿支部長)、医療法人渡辺医院老人保健施設「夢の里」(渡辺清一郎理事長)、そしてベトナムでも心臓手術で有名な佐野俊二岡山大学病院心臓血管外科教授を訪問予定である。
175病院は2015年から250億円をかけてベトナム戦争以後の大改築を予定。その中に老人ホーム設立の計画であるが、認知症の介護対策までは想像できていない。平均寿命が72歳の社会である。最先端の介護対策を実施している岡山済生会グループおよび夢の里の両者を参考にして、ベトナムにおける老人介護のモデル形成の具現化をしていただきたい。175病院は人材派遣の国営企業とも連携している。
私は日本人の良き特徴とベトナム人の良き特徴を組み合わせた新しい介護の場の実現を提案。
日本人の良き特徴は「1)他人に迷惑をかけない、2)正直、3)助け合う」と説明。
副院長からはベトナム人の良き特徴として「1)勤勉、2)社交的、3)人間関係に誠実」と説明があった。この時に副院長の顔が輝いたのが印象的だった。
175病院長(少将・外科医)の期待は次の3点である。
1)医療技術交流、2)介護交流、3)若い世代交流。
私は4番目として、「災害医療支援」の追加をお願いした。
国防省の直轄なので海外派遣はまだ無理だが、ベトナム国内災害に関してはAMDA多国籍医師団の受け入れは大歓迎とのこと。また、少数民族に対する定期的巡回診療にも招待していただいた。
ちなみに、175病院は敷地23ヘクタール、ベッド数1200、医師300名以上、看護師400名以上、総医療スタッフ約1000名という規模である。
ハノイ市にある103病院と108病院を加えて国防省管轄の3大病院である。
年内に、175病院、岡山済生会グループとAMDAの三者間の包括協定を予定している。
175病院は軍病院であるからベトナム戦争の経験がある。
ベトナム戦争の後遺症である枯葉剤障害児施設がベトナムの中・南部に多数ある。
枯葉剤は農薬である。
米軍は日本企業から購入して散布した。
AMDAフードプログラムはハノイから135kmにあるフォアビン省の海抜600メートルに位置するモン族の村で有機農業を準備している。
大きな湖がある30ヘクタールの土地である。
更に山向こうには「天空の水田」がある。
お世話になっている川村栄次氏に感謝したい。
農薬を使わない有機農業の収入で枯葉剤障害児施設の子どもたちの支援をするのが私の念願である。
ベトナム政府は農業の振興にむけ日本からの農業技術導入に積極的である。
同時にベトナムの人たちは農薬の人体への悪影響にも気づき始めている。
ベトナムは本当に親日的である。
「ルック!ジャパン」を超えた「共に!ジャパン」である。
175病院長も人材育成などのシステムについて日本式が希望である。
日本企業も中国からベトナムなど東南アジアの親日的な国々に回帰している。
GPSP*事務所inクアランプールを開設して既に大きな成果があった。
高い意欲と能力を持った優秀な日本人の若い世代が各国で活動していることの発見だった。
GPSP事務所を各国に開設する予定である。
彼らがGPSP事務所に積極的に関与してくれることが、AMDA設立30年後のGPSP構想の具現化に不可欠である。「アジアの中でアジアを考える」ことに関しては彼らが先輩であるから。
*GPSP: Global Partnership for Sustainable Peace 世界平和パートナーシップ