1993年ソマリア難民緊急医療支援に派遣された
AMDA多国籍医師団。 アフリカでの初の事業
市民参加型人道支援外交とは、国家間の共栄共存に不可欠な信頼形成を市民参加型の人道支援活動によって推進することである。
信頼形成は「困った時に助けてくれるのが真の友」でこそ可能になる。
究極の状況は災害により生命や財産が失われる時である。
「見放されていない」という気持ちが希望へのエネルギーを生む。
そして「援助を受ける側にもプライドがある」を克服するのは、困った時はお互いさまの「相互扶助」である。「見放していません」というメッセージのやり取りが信頼形成を推進する。これはアジアの伝統である。
更に自分の所属する共同体を超えて助け合うことが「開かれた相互扶助」である。AMDA多国籍医師団は「開かれた相互扶助」の象徴である。
AMDA支部間の協力により、1984年の設立以来、65ケ国で160件以上の難民や災害被災者の救援医療活動を実施してきた。AMDAの支部以外に、各国の代表的なNGO、大学そして政府機関と広範囲の多国籍医師団を形成して相互信頼の醸成をしたい。
2013年5月に「アジア相互扶助緊急救援ネットワーク」が誕生した。
そして今年、世界平和パートナーシップ(GPSP)事務所をクアランプールに開設した。
AMDAを超えた「GPSP多国籍医師団」の活躍の時が来たる。
アジア各国別に「GPSP多国籍医師団支援基金」の設立を考えている。
各国の医療チームがGPSP多国籍医師団に参加して海外の被災地に派遣される資金である。
各国に進出している日本企業に1回の海外派遣につき3千円の募金をお願いしたい。
日本企業にとっては現地の社会貢献である。
被災地の日本企業には情報提供に加えて、調整員や通訳などの人的貢献をしていただけば有り難い。
アジアの国々にとって官民を問わずに医療チームを海外に派遣することは大きな名誉である。
その派遣を支える日本企業は社会の一員として尊敬され、被災地の日本企業の活動は被災国への大きな社会貢献として評価される。
フィリピンでは「GPSP多国籍医師団」としてレイテ医師会、フィリピン開発アカデミー、ビコール大学そしてAMDAフィリピン支部が参加する。
フィリピン開発アカデミーは政府機関である。
公務員の教育や研修を実施しており、すべての政府機関と連携可能である。
レイテ医師会は台風30号による被災支援に対するお返しである。
ビコール大学は、国内災害の拠点であるアルバイ州にある。医学部のカリキュラムには「災害医療」が必修科目となっている。
フェイ学長も医師や医学生の海外派遣を積極的に希望。
AMDAフィリピン支部は言うに及ばず、である。
人道支援に意欲と能力があるにもかかわらず機会が与えられなくて自己実現できない。
これは広義の差別である。
人道支援は先進国の専売特許ではない。
「GPSP多国籍医師団支援基金」をフィリピンに続いてインドネシア、ベトナム、カンボジア、バングラデッシュ、スリランカ、インドなどに設立を予定している。
勿論、南海トラフや東京直下型地震対応も視野に入っている。
「GPSP多国籍医師団」は日本国内における在日外国人のために大きな役割を果たす。
情けは人のためならず。
「GPSP多国籍医師団」が世界平和への市民参加型人道支援外交の象徴として発展することを期待したい。