Japan Friendship Hospitalへの支援プログラム構想 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

Japan Friendship Hospitalへの支援プログラム構想

2014年2月22日。ミャンマーのヤンゴンでミャンマー政府労働大臣と日本国大使の参加のもとに「日本・ミャンマー外交関係樹立60周年記念ミャンマー国際セミナー」が開催された。
国際医療技術財団(JIMTEF)、国際開発救援財団(FIDR)とミャンマー政府労働省の共催、日本国外務省後援。

エー・ミイン ミャンマー政府労働大臣の開会あいさつ。沼田幹夫大使から逢沢一郎日本ミャンマー友好議員連盟会長からの祝賀のメッセージも披露された。ユ・ルウィン・アウン ミャンマー政府労働省社会保障局長による特別講演「ミャンマー政府労働省の医療政策の現状と課題」。私の基調講演「世界一の平均寿命〜日本式保健・医療モデル」。午後からは倉照彦亀田総合病院医療技術部ME室長による「医療機器と臨床工学技士制度」。小西恵一郎JIMTEF代表理事による「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成と勤労者医療の推進」などの講演があった。

その後に討論会。労働省管轄病院はヤンゴンとマンダレーなど3ケ所にあるが建物と医療機器が老朽化。
総括宣言では医療機器の整備と修理保守管理体制、医療専門スタッフの研修プログラムなどが採択された。

翌日、私は保健省管轄ヤンゴン総合病院(ミャンマー最大の病院)を訪問。「フランス政府が供与してくれた中古医療機器をフランスの民間団体が25年間修理してくれた。今はない。困っている。日本にも医療機器の提供だけでなく修理保守に必要な人材の育成を望みたい」と強い要望があった。

アジア各国では中古医療機器で人の命を救える可能性がまだまだある。
国民皆保険等によって整備されている日本の医療環境が特別なのである。

日本の医療機器は世界で最も性能と品質が良い。
しかし、政府開発援助(ODA)で提供された医療機器は故障したら放置されるのが常。
修理保守体制が整備されていない。税金の粗大ごみ化は悲しい。

阿部俊子前外務省政務官から1年前に解決策として修理保守のための団体設立の可能性の打診があった。
このセミナーで答えが出た。
キーパースンは「臨床工学技士」である。
小西恵一郎代表理事をはじめとする関係者で「Japan Friendship Hospital」支援プログラム構想がまとまった。
「Japan Friendship Hospital」と認定された医療機関への支援は次の3点である。
1)日本製中古医療機器の提供。
2)修理保守サービスの提供。
3)人材育成研修。

ちなみに、認定条件は次の3点である。
1)平均寿命世界一の日本式保健・医療モデルの紹介と推進。
2)アジア相互扶助緊急救援ネットワークに登録。
3)「Japan Friendship Hospital」間の協力。

基本コンセプトは「相互扶助」である。
最も危険な人間関係はスポンサーシップである。
何故なら「援助を受ける側にもプライドがある」から。

世界平和への「相互扶助」パートナーシップとして「Japan Friendship Hospital」支援プログラム構想を位置付けたい。日本製中古医療機器は「国益-親日」への戦略的人道援助物資。アジアの新興国も豊かになれば性能の良い新製品を購入する。医療機器マーケットの開拓である。同時に、自然災害発生時には日本の緊急人道支援のパートナーとして参加。21世紀の日本式国際医療貢献モデル誕生である。関係者各位の大同団結を望みたい。