2013年9月21日。岡山県国際交流センターにてAMDA-VSCO(公益社団法人被害者サポートセンターおかやま)合同シンポジウムが開催された。性犯罪被害者の救済と支援。積極的に言えば、女性の社会的地位の向上である。国連人口基金東京事務所長の佐崎淳子氏の基調講演では「ジェンダーに基づく暴力をどのように考えるのか」が世界的な視野から提示された。結論は「女性にもイニシアチブを」である。男性イニシアチブから女性にとって様々な不利益が発生している。性犯罪被害もその一環である。岡山県で基礎自治体が性犯罪被害防止と被害者支援を条例として実施していることを世界的最先端の事例として評価された。
次に片岡聡一総社市長が女性の社会的地位向上に基礎自治体が積極的に突破口を開き、条例化をしていく事例と必要性を述べた。公益性と公共性は異なる。公益性とは有ればみんなの役に立つ。公共性とは無ければみんなが困る。性犯罪防止と被害者の支援は公共中の公共である。だから自治体の最優先課題となるべきである。片岡市長の発想が常に公共性にあることに敬意を表したい。続き岡山市安全・安心ネットワーク推進室の安全・安心ネットワーク担当局長箕浦勝宏氏から条例に基づいた岡山市の取り組みが紹介された。被害者支援に関する市役所の全関連部門の取り組みの一体化である。そこには継続性がみられる。行政の真骨頂である。そしてVSCO業務執行理事の森陽子氏の現在までの取り組みと将来への課題が紹介された。高原勝哉代表理事と共に10年にわたる苦節の歴史である。最後にAMDAのアジア各国における女性の社会的地位向上につながる小規模融資の事例を紹介した。意欲+能力+機会=自己実現。「人生喜びの方程式」である。
性犯罪被害者の苦痛は病院、警察そして司法の場と3回も非情な状況を述べさせられることである。これがつらい。佐崎国連人口基金東京事務所長から一回で終了さすニカラグア方式が紹介された。岡山県産婦人科医会会長・山崎善久氏、弁護士会・吉沢徹氏そして岡山県生活民生部くらし安全安心課長・折居実氏にそれぞれの立場からのニカラグア方式の岡山県における確立をお願いした。同時に貴重なコメントをいただいた。衆議院議員山下たかし氏へは岡山方式の普及を日本国内のみならず国際社会への発信をお願いした。山下氏からは更なる積極的な提案があった。「2014年開催のユネスコESD会議を積極的に活用し、発信の場にするべきだ」と。
「弱者が存亡の危機に瀕した時に動く」岡山の精神風土は世界の公共財産である。性犯罪被害者防止・支援体制の条例化はその具象である。佐崎国連人口基金東京事務所長は示唆された。「国連の各種委員会で発表する価値が十分あります。ただし日本の外務省の協力が不可欠です」と。天は我を見捨てず。翌日22日に岡山シンフォニホールで開催された「もっと知ろう!ESDトーク&チャリティーコンサート」で衆議院議員・逢沢一郎氏と岡山大学副学長でESDプログラム責任者の阿部史氏と3人でのトークライブの時間を共有する機会に恵まれた。逢沢一郎氏に外務省の協力要請をお願いした。「わかりました。やりましょう」と力強い返答。阿部副学長氏にもお願いした。前向きの感触を得た。積極的に女性の社会的地位向上に関して発言を続けている衆議院議員阿部俊子氏もいる。VSCO10年の活動。岡山の精神風土は世界の公共財産。国連を通して国際社会に発信する時が来たる。