アジア相互扶助緊急救援ネットワークの設立 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

アジア相互扶助緊急救援ネットワークの設立


4月12日会議初日に、 海外参加者全員で撮影

2013年4月12日から5日間。岡山市の国際交流センターで、アジア相互扶助緊急救援ネットワークの会議を日本を含むアジア14の国と地域の参加をもって開催した。モンゴル、韓国、台湾、フィリピン、マレーシア、インドネシア、ミャンマー、バングラデシュ、スリランカ、パキスタン、トルコ、キルギスタン、アフガニスタンなどである。「真の友は本当に困った時に助けに来てくれる」がスローガンである。オープン相互扶助、ローカルイニシアチブそしてパートナーシップが基本コンセプトである。

トヨタ財団と三菱UFJ国際財団がスポンサーである。紙面を借りて感謝したい。
開催の契機は東日本大震災で、AMDAがインドネシア、マレーシア、韓国そしてタイからの医療チームを受け入れた時の調整に困難をきたしたことである。ビザ、活動場所、移動手段、通信手段、宿舎、通訳に加えて医師免許などのハードルがあった。しかも、AMDA本部の職員は釜石市、大槌町、南三陸町などの避難所に全国からのボランティアを派遣することと、必要な物資を補給することに忙殺されていた。AMDAは過去に56ケ国に148回にわたって医療チームを派遣。被災国での受け入れなくして医療チームの派遣は困難だった。被災国の受け入れ団体が大変なエネルギーを使ってくれたことがわかった。
今回の会議に参加した団体は過去にAMDAと一緒に活動したか面識がある。
今後は積極的に災害緊急救援の相互扶助ネットワークとして助け合っていく。被災国での「災害合同対策会議」の設置が決定。医療チームを派遣する前に1名か2名の調整員を「災害合同対策会議」に派遣。派遣された調整員が所属団体との連絡と救援チームの受け入れをする。
AMDAが事務局機能を3年間担当し、緊急救援ネットワークの基礎を固め、平和構築、生活向上、教育そして健康などの分野にも拡充できればと思っている。
参加団体は基本的にその国全体をカバーするネットワークをもっている。そして医療に加えて住民の生活向上などを目的としている。
総社市と新庄村でも国際会議を開催。人口約7万人の総社市。総社市の交通弱者に対する雪舟くん(デマンドタクシー)、障がい者に対する雇用1000人、子育て支援の子ども王国、在日外国人に対する多文化共生、災害被災者に対するAMDAとの連携。いずれも効果あり。世界に誇るべき5大社会福祉政策である。The City of Social-welfare Movementがふさわしい。「西のジュネーブ、東の総社」とスローガンの変更をすべきか。
一方、人口1千人弱の新庄村。健全な統治、農業従事者の良心を示す有機農業、地域を守る消防団。フィリピンとパキスタンをはじめとする海外参加者が理想のコミュニティと感動し賞賛。理想とは自分自身が住みたいということである。自己評価に意味なく、外部者の評価に千金の重みあり。
総社市と新庄村は「今日の家族の生活と明日の家族の希望を実現する状況」というAMDAの提唱する平和の定義を具現化。今や、世界の公共財であると言って過言ではない。総社市と新庄村を世界に広く紹介する責務を超えた喜びを感じている。
今回の参加者はそれぞれ国を代表する団体のトップである。存在自体に温かみを感じさせられる。発する一言に味わいがある。世界の人たちのお役にたつ喜びに加えて、彼らと一緒に活動をする喜びを予感した。