気候変動と共に暮らす人々 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

気候変動と共に暮らす人々


桜の便りを聞く前に、サイクロン・パムの緊急救援活動のため日本を出国した私は、現在、フィジーに滞在しております。

関西国際空港を出発し、クアラルンプール、シドニーを経由して、2日掛かりで到着したこの国は、人気のリゾート地としてご存知の方も多いのではないでしょうか。
3月11日から13日にかけて、青い空と青い海が美しい太平洋諸島を襲ったサイクロン・パムは、バヌアツを中心に6か国にその爪痕を残しました。

なかなか活動の調整がつかず、キリバスでの支援を諦めなければならなかったりと、残念なことも多かった今回の緊急救援ですが(活動内容は、こちらから速報の方をご覧ください)、現地の方から聞く太平洋諸国が抱える深刻な海面上昇の問題に、改めて「地球温暖化」とも言われる気候変動について考える機会になりました。

サイクロンがこれまでになく、大きな被害をもたらすようになったのは、風雨だけでなく、海面上昇に伴う高潮の発生が増えたことにもよります。
海面がどんどん高くなって、容易に冠水するのです。


在フィジーキリバス大使館の方は、避難のしようもない状況を次のように話してくださいました。
「キリバスは最も標高が高いところで海抜3メートル程度です。 高台も防波堤もない海に囲まれた国では、高潮が襲うと海水がそのままなだれ込みすべてを洗い流し、両側の海岸線から内陸に逃げて来た人たちが、ただ真ん中で固まるしかないのです。」と。

自然や災害と戦うには、私達はあまりにも小さな存在です。
しかし、日本から遠く離れた、自然と共存する小さな国々に住む人たちが直面する問題について、想いを馳せるきっかけになればと思います。
私にできることは何もありませんが、身体も心も笑顔も特別に大きな太平洋諸国の人々に何度となく元気をもらった者として、「あなたを忘れない」というメッセージは伝え続けたいと思っています。

GPSPインドネシア担当
山 希