【ウクライナ人道支援活動:ウクライナで巡回診療を行うハンガリーの団体『メドスポット』からの報告8月・9月】 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

【ウクライナ人道支援活動:ウクライナで巡回診療を行うハンガリーの団体『メドスポット』からの報告8月・9月】

 AMDAはメドスポットとともに、2022年3月から10月まで、ウクライナ国境近くのハンガリー・ベレグスラーニーのヘルプセンターでウクライナからの避難者に対して医療支援活動を行いました。同年11月より現在まで、ウクライナ西部で国内避難者の巡回診療を継続しているメッドスポットとAMDAは協力し活動しています。

 巡回診療は、医師、看護師、心理学者を含む約6人からなる医療チームで行います。ウクライナ国内避難者が身を寄せる学校などに設置された避難所を回り、活動しています。平均して、2日間で4か所を訪れ、約100人から120人の患者を診察し、薬を無料で提供しています。メドスポットのアンドラシュ医師は、「身体面だけでなく、心の問題も抱えている患者さんに寄り添うため30分程度かけて、じっくり診察することもあります。4週間に1度のペースで避難所を繰り返し訪れることによって、患者との信頼関係を築いているからこそ、表面的な身体の不調だけでなく、心の不調も訴えてくれるようになりました。必要に応じて、心理学者による心理療法や精神科医による薬の処方もしています。加えて、ウクライナ人精神科医によるオンラインでの心理相談も受け付けています。」と話しました。

 さらに、ウクライナ人道危機発生時と現在では様子が違うと報告がありました。海外に避難していた多くの人がウクライナに戻ってきている今、西部の町は人口が2倍になり、住宅不足や失業問題が発生しています。当初は、自分の身の安全を守るため、着の身着のまま緊急避難してきたウクライナ避難民に対して、服用中の薬の処方、避難中に負った外傷や急性ストレス反応への対応など、緊急的なサポートが必要なケースが多々ありました。一方、現在は長期的なストレスによる不安障害、頭痛、消化性潰瘍など慢性的な症状を訴える方が多くいらっしゃいます。生まれ育った地元を離れ、将来に不安を抱えながら生活する国内避難者への継続的な支援の重要性が増しています。

AMDAは今後もメドスポットと一緒に活動を継続していきます。