インドネシア・スラウェシ島洪水被災者緊急支援活動 第2次隊からの報告 – AMDA(アムダ)
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国連経済社会理事会総合協議資格NGO

インドネシア・スラウェシ島洪水被災者緊急支援活動 第2次隊からの報告

AMDAインドネシア支部 医師 Dr. Rahmawati S
AMDAインドネシア支部 医師 Dr. Lius Hariman
(訳:ノートルダム清心女子大学4年生 AMDAボランティア 谷本知佳)

活動場所:インドネシア・南東スラウェシ州コナウェ県

派遣期間:2019年6月28日~7月5日

派遣者:AMDAインドネシア支部医師7人

活動報告:

インドネシアの南東スラウェシ州東北部に位置するコナウェ県で洪水が発生し、AMDAインドネシア支部は緊急支援活動を行いました。

今回の活動は、私たちにとって初となるAMDA派遣者としての活動であり、緊急人道支援活動を通して平和な世界を目指すAMDAの精神に直接触れることができました。

1日目(2019年6月28日)

私たちは、午後4時にインドネシア南東スラウェシ州の州都であるケンダリに到着しました。到着後、被災状況を把握するため、地域防災局(BPBD)が運営するボランティアセンターの職員の方、社会福祉評議会の方、地元の保健局の職員の方と会議を開き、コナウェ県内の村で行う支援活動に向けた準備を進めました。

 



 

 



2日目(2019年6月29日)

AMDAチームがまず行ったのは、現地の状況を把握することです。被災地である同州コナウェ県内にあるポンディダハ診療所(puskesmas Pondidaha)を訪れ、院長から被災状況について話をうかがいました。私たちは、洪水によって孤立してしまった同県内の村が特に支援を必要としていると判断し、洪水の被害状況など様々な点を考慮した結果、6つの村(Lalonggotomi, Ahuawatu, Belatu, Laloika, Ambuulanu, Sulemandara)を訪れることにしました。

院長から話をうかがった後、AMDAチームは実際にそれらの村を訪れ、緊急支援を行う拠点をどこにするべきか、またどのような支援が必要とされているのかについてのニーズ調査を行いました。その後、一度ケンダリに戻り、翌日からの本格的な活動に備えて医薬品や支援物資を購入・準備しました。

 

医療支援の様子

3日目(2019年6月30日)・4日目(2019年7月1日)

AMDAチームは2つのグループに分かれ、ポンディダハ診療所の院長の話から特に支援が必要であると判断した6つの村(Lalonggotomi, Ahuawatu, Belatu, Laloika, Ambulanu, Sulemandara) と、活動を進めるなかで新たに支援が必要であると判断した村(Lawonua)を加え、両日合わせて7つの村で活動を行いました。主に医療支援を行い、2日間で342人を診察したところ、どの村でも呼吸器感染症に苦しんでいる方が多く見られました。また、村によっては患者の大半が子どもたちである村もありました。







4日目の診察を終えると、コナウェ県内での支援がひと段落ついたので、活動地域を広げるため、南東スラウェシ州東北部に位置する北コナウェ県へ向かいました。北コナウェ県も洪水の被害をひどく受けており、同県へ向かう道中、洪水の悲惨さを物語る崩れた道路や橋、また流された家を目にしました。  

5日目(2019年7月2日)

保健局関係者などへ被害状況をうかがう

北コナウェ県でも適切な支援を行うため、災害状況を把握することから活動を始めました。現地の状況を把握するために保健局の職員と病院の院長から現地の様子について話をうかがい、災害状況等を考慮した結果、2つの地域(tompoliri, walalindu)を訪れることが決まりました。

すぐさま活動地へと向かい、2つの地域を合わせて55人に医療支援を行ったところ、特にワラリンドュ(walalindu)で呼吸器感染症と診断される患者が多くみられました。診察は午後12時に終了し、私たちは活動報告を行うために保健センターへと向かいました。保健センターで引き継ぎ作業等を完了させた後、私たちは南東スラウェシ州の州都ケンダリに戻りました。
 

6日目(2019年7月3日)

被災をした約50世帯を巡回

活動の最終日となったこの日は、コナウェ県内の村(Pondidaha)を訪れ、被害を受けた住宅(約50棟)に、支援物資を届けるとともに必要に応じて薬の処方等も行いました。

活動全体を通して、洪水災害後に呼吸器感染症と診断される被災者が多く、また被害を受けた自宅の片付けに疲労困憊し、心身共に疲れがたまっている人々の姿が多く見うけられました。

今回AMDA隊員として参加したことで、分かち合い、助け合いの精神にふれる機会を与えてくださったAMDAに感謝申し上げます。