GPSP支援局 総務担当 ブルックス 雅美
研修修了式(前列右端がイリーナさん)
岡山県ローカル・トゥ・ローカル事業を通じ、アルゼンチンから来岡した山本イリーナさんが2019年8月から3カ月間、AMDA事務所にて研修を受けられました。
イリーナさんは研修開始当初より、AMDAや日本での防災、そして母国の大学で専攻している福祉制度について自ら調べ、社会福祉法人旭川荘や小規模多機能ホームぶどうの家真備などを訪問。AMDA中学高校生会の活動にも積極的に参加し、8月には同会メンバーと高知県黒潮町を訪問、地元中学高校生らとともに防災について学びました。驚くべきは3カ月間で急速に上達した日本語でした。研修期間中、アルゼンチンの災害などに関するプレゼン発表、ラジオの生放送への出演、活動報告もすべて日本語で行いました。
アルゼンチンについて日本語で発表
好奇心旺盛で行動も早く、逆境をも結果的にハッピーエンドに変わってしまう、そしていつも笑顔を絶やさなかったイリーナさん、体は小さいけれど、存在感はまるでひまわりのように大きく、一緒に働く私たちをも元気にしてくれました。私自身、彼女から特に学んだ「何でもやってみる」の精神を、様々な活動などに生かしていければと考えています。
以下、山本イリーナさんのAMDAでの研修の報告(原文(スペイン語)の和訳を一部抜粋)となります。是非お読みいただければと思います。
最後に、この貴重な機会をいただきました岡山県国際課様並びに岡山県国際交流協会様に改めて御礼申し上げます。
AMDAでの私の経験
山本 イリーナ
2019年8月から10月、幸運にも岡山にあるAMDA事務所で研修を受けることができました。良い思い出しかない、貴重な機会でした。
黒潮町の方々と防災訓練に参加
初日にAMDAの理念や過去の活動などを勉強、自分にとって興味のあるものであり、AMDAの日々の活動を理解するうえで重要なことだと感じました。その後、研修を通し、自然災害と防災、そして災害発生時の対応準備などを学ぶことができました。特に、8月にはAMDA中学高校生会のメンバーと一緒に、高知県黒潮町で起こるかもしれない大災害に対する防災活動に参加、災害時に実際に自分はどう動くかなど、多くのことを学びました。幸運にもアルゼンチンでは大規模な自然災害というのは頻繁になく、自分自身も大災害にあった経験もないため、この活動に参加するまで防災の重要性に気づくことはありませんでした。また、この活動を通し、日本人の同世代の人たちと、言葉の違いがあってもお互いを理解しようと努力し、結果として様々なことを共有できたことが非常に嬉しかったです。
旭川荘内を見学
また、旭川荘を3度訪問、医療・福祉施設のほか、ティーボールの練習、そして旭川荘の利用者がモノ作りなどで収入が得られる施設なども見学、高齢者や身体に障がいを持つ方々への対応や日本の医療・福祉制度を学びました。訪問前、白い壁に囲まれ苦しむ人がただそこにいる、そのような静かな病院を想像していました。しかし旭川荘で見た風景は子どもたちが楽しそうに遊んでいる姿、私は非常に驚くと同時にとても嬉しくなりました。このほかにも利用者自身が出来ることは自分で行えるように促していくなど、ハード面とソフト面の両方で利用者が住みやすい施設づくりを行われている旭川荘のスタッフの方々の仕事に感銘を受けました。自国であるアルゼンチンと全く違う仕組みなどを知ることができ、自分を高めることのできる機会となりました。
研修期間、私を助け、支えてくれたAMDA及びスタッフ全員にとても感謝しています。彼らのおかげで、個人的にも多くのことを学び、プロフェッショナルとして成長する機会を持つことができました。日本で与えられた教えから、今後自分の国を良くしていくため、私はこれから頑張っていきます。