AMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム合同対策本部本部長 大西 彰
AMDAは「防災の日」である9月1日に、徳島県総合防災訓練に参加しました。参加したのは、AMDA南海トラフ災害対応プラットフォームに参加いただいている3つの医療機関から9名、AMDA兵庫から1名、一般ボランティアとして2名、AMDA関係者5名の計17名です。
AMDAチームは、避難所となっていた阿南市福井小学校と、被災病院となっていた県立海部病院(牟岐町)の2か所に別れての活動となりました。
訓練後、阿南市保健所と県立海部病院で行われた報告会に参加し、その後、AMDAチームのみで集まり訓練を振り返りました。
参加医療機関:
公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院
社会医療法人全仁会 倉敷平成病院
医療法人伯鳳会 はくほう会セントラル病院
(AMDA南海トラフ災害対応プラットフォームに参加されている医療機関で、発災時、徳島県内に入っていただく予定の医療機関へお声掛けさせて頂きました。)
【阿南市福井小学校での活動】
徳島県保健医療調整本部が立ち上がった阿南保健所に、到着報告をしたAMDAチームは、避難所となっていた福井小学校に移動しました。地元自主防災会が設営した救護所で、地元の方々の前で、阿南医師会、災害支援ナースとAMDAチームはトリアージを行いました。中でも、AMDAチームは処置を担当することとなり、地元の方々に説明をしながら処置のデモンストレーションを行いました。
【県立海部病院での活動】
陸送が行えない想定で動いたAMDAチームは、徳島県総合防災訓練主会場(阿南市小勝緑地)から県立海部病院まで自衛隊のヘリで輸送いただきました。別に車で移動したAMDAチームと合流し、海部病院災害対策本部にてチームの到着報告を行い、本部長より指示を受けた上で、病院支援に入るチームと仮想避難所である牟岐中学校避難所内救護所立ち上げ訓練を行いました。
(病院支援)
病院支援に入ったAMDAチームは、病棟のスタッフが足りないということで病棟のフォローに入ったり、ヘリでの搬送患者受け入れ訓練などを行いました。
(仮想避難所の牟岐中学校避難所救護所立ち上げ)
仮想避難所である牟岐中学校避難所内で救護所を立ち上げ訓練を行い、その後、患者役となったスタッフが救護所を訪れ、患者の流れや書類の書き方なども確認しました。
【参加者からの感想】
◆このような防災訓練に初めて参加させていただいて医療者として、どのような心構えが必要かを学ぶことが出来た。
◆災害現場での混乱や本部機能の重要さを学び、指示系統がしっかりしていることで、事態は大きく変わることがわかった。今日は、初参加で受け身のスタンスで訓練に参加していたと感じる。主体的に情報を取りに行く姿勢が必要である。
◆AMDAチームとして、実際どういう風に動けばいいか少し理解できた。ロジとして参加したが、報告の仕方が難しいなと実感した。無線を使用し、連絡を取り合えて実際現場ではどうしたらいいか、考えながらできてよかった。顔の見える関係性を築ける場でよかった。
◆看護師の経験年数が浅いので訓練に参加しても良いのか悩んだが、経験年数が浅いからこそ実際に見て触れて感じる事も多かった。紙面上では学習をしていっても実際は動けない事が多いため、知識の向上と臨機応変に対応できる力も必要であると感じた。
◆想定外の手順書に書かれていない点への対応が最も重要。今回が初めての参加で、何ができるのか緊張した。できることを焦らず、不安を与えないように行動することも大切。現場で現地の要望、時間軸の流れに、実際にはかなり差があり、各被災者の立場で対応しなければと感じた。