ロヒンギャ難民緊急医療支援終了のご報告 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

ロヒンギャ難民緊急医療支援終了のご報告

2017年10月より開始したロヒンギャ難民支援に関しまして、AMDAは2018年11月末日をもって1年間の緊急医療支援を終了いたしました。多くの方々のご支援、ご協力を頂きましたこと感謝申し上げます。活動の中心となってきた現地AMDAバングラデシュ支部長ナイーム医師、事務局長ラザック氏のコメントとともにご報告いたします。

1. AMDAバングラデシュ サダール・A・ナイーム支部長によるコメント








2017年8月に始まった今回のロヒンギャ難民流入ですが、難民の大半にとって医療へのアクセスが困難であった中、AMDAの行った支援は目を見張るものがありました。男性、女性、子供達が着の身着のままバングラデシュへと辿り着き、コックスバザール周辺に避難してきました。複雑な地形にあって、建てられるところにテントを設置した彼らですが、当時は救援物資や安全な飲み水、食料、住む場所、医療サービスといったものがほとんどない状態でした。あれから一年が経過し、計画通りの医療支援を実施することができたと確信しています。

現在、難民キャンプにおける緊急医療ニーズはなくなり、復興と再定住に向けたプロセスが進められています。AMDAはこれまで「救える命があればどこまでも」をモットーに常に緊急救援の最前線で活動してきました。しかし、この度、緊急医療ニーズの時期が過ぎたことに伴い、2018年11月をもって今回の支援活動を終了することにしました。

日本のAMDAインターナショナルの皆様には、ロヒンギャ難民に対する直接的なご支援を頂き、大変感謝しています。またプロジェクトの共同実施者であるUCB(ユナイテッド・コマーシャル銀行)の皆様には、より良いヘルスケアサービスを提供する上で、大変お世話になりました。

今後ともバングラデシュ内外を問わず、自然災害、人的災害の被災者に対し、助けの手を差し伸べることができればと切に願っています。重ねて御礼申し上げます。

2. AMDAバングラデシュ サダール・A・ラザック事務局長によるコメント








2018年10月から一年間に渡って今回のロヒンギャ難民支援を実施することができたのは、私達AMDAバングラデシュにとって大きな経験となりました。

コックスバザール郊外ウキヤ・ウパジラにあるクトゥパロン難民キャンプは、国内で最大規模の難民キャンプです。当時、キャンプ内の人口は既に過密状態で、一部の難民は新たに拡張された区域への移住を余儀なくされました。そんな中、緊急医療サービスの提供は勿論のこと、個人の衛生管理と環境衛生、飲み水の確保は喫緊の課題でした。

計81万7千人のロヒンギャ難民が現在、このバングラデシュ最南端の土地で暮らしています。2017年8月25日以降、60万4千人もの人々がミャンマーを逃れて国境を越えました。これは、以前の難民流入に伴い、既にバングラデシュ国内で避難生活を送っていた20万人もの人々を除いた数です。

AMDAインターナショナルから全面的なサポートを受ける中、AMDAバングラデシュ、日本バングラデシュ友好病院とUCBは、最も医療ニーズが高かった時期に、合同でキャンプ内に診療所を開設することができました。

またAMDA多国籍医師団(AMMM)も海外から医療スタッフを派遣し、私達の活動を現地で見守りました。菅波代表をはじめ、日本はもとより、ネパールなどからも医療のプロが現場へと駆け付けてくれました。

私達AMDAバングラデシュは今後もAMMMの一員として、世界の緊急救援の現場で活躍したいと考えています。