ネパール担当 アルチャナ ジョシ
32か国に支部があるアムダは支部内外との交流や研修を行っています。今回、インド・ブッダガヤにあるAMDAピースクリニックで働き始めて4年目になるバビータ氏が2018年4月15日から29日までネパール・AMDAダマック病院で母子保健サービスを中心に研修を受けました。研修後、ブッダガヤに帰ったバビータ氏から研修までの経緯と研修への想い、これからの意気込みについてききました。
バビータ氏より
2017年11月にインド・ブッダガヤのAMDAピースクリニックを訪れた菅波代表が私に、ネパールにあるAMDAダマック病院で研修を受けませんか、と話をされたのが始まりです。ネパール東南部にあるAMDAダマック病院は100床を有する病院で1日に20人以上の赤ちゃんが生まれます。母子保健分野に優れた病院で、AMDAピースクリニックのスタッフがその病院で研修を受けることにより、多くのことが学べるであろう、というのが菅波代表の考えでした。話を聞いた時は、ネパールで言葉が通じるか、どんなところで、どんな人が働いているのだろうと、すごく不安でした。一方で、何かしら勉強できることがあると思い、研修を受けるためにネパールに行く決心をしました。
インド・ブッダガヤから16時間かけてインドとネパールの国境につくまでは少し不安もありました。国境についてバスを降りた時、AMDAダマック病院ナビン院長ご自身が待ってくださっていました。ナビン院長が迎えてくださったことに感謝すると同時に、ヒンドゥー語も通じることがわかり、安心しました。
研修を受けたAMDAダマック病院は、AMDA ピースクリニックに比べて、かなり規模の大きい病院で外来、手術室、救急外来などがあり24時間体制で動いていました。大規模な病院にも関わらず、一人一人のスタッフが責任をもって患者のために働いている様子を見て感動しました。そして、母子保健サービスの提供を中心に行っているAMDAピースクリニックで働くスタッフとして、ダマック病院が提供する母子保健サービスを中心に多くのことを学んで帰りたいという想いを強くしました。
外来診療を担当する産婦人科医ビマラ医師に三日間付き添って、病院で働くスタッフの患者さんとの接し方の様子を見ることができました。ビマラ医師は時間をかけて患者さん一人一人に耳を傾け、その患者さんに合った適切なアドバイスをしていました。病気の治療には診察と薬の処方だけでは不十分で、きちんと患者さんに向き合い、患者さんにとって最善の治療法を考えことが大切だと感じました。
今回の研修で、技術・管理などの実務的なことはもちろんのこと、患者ケアの重要性を学びました。自分が学んだこと、感じたことをAMDAピースクリニックの医師をはじめ、スタッフ全員で共有したいと思います。我々のクリニックはAMDAダマック病院に比べると規模はとても小さいですが、患者ケアの重要性は同じです。クリニックを訪れる妊産婦一人一人の話を聞いて、母子の健康増進に繋がる情報を丁寧に説明していきたいと思います。