全国初…菅波代表「画期的な取り組み」
総社市の片岡聡一市長は9月12日、市庁舎で記者会見し、9月7日の8月定例市議会最終日で、南海トラフ地震など大規模災害の被災者の受け入れ条例を制定したことを明らかにしました。
全国で初の試み。同市と災害時の連携協力協定を結んでいるAMDAの菅波茂代表も会見に同席し「画期的な試み」と高く評価しました。
条例は被災者の居住環境を確保し、生活再建に寄与することを目的とし、居住を希望する被災者に対して民間の空き家住宅に入居できるよう努め、避難生活支援金(1世帯10万円)を支給するとしています。
会見で片岡市長は「有事にはお互いに支え合う気持ちが大切。この条例制定が近隣市町村にも広がってほしい」と述べました。
菅波代表は「この条例は国際社会で新しい道を開くイノベーションとなる」と強調。岡山経済同友会の松田久代表幹事も「条例制定の決断に敬意を表する」と述べました。
WHO(世界保健機構)は南海トラフ地震の避難者数を230万人と想定し、被災地での避難場所は不足すると指摘しており、総社市が受け入れ条例を検討していました。
総社市は、東日本大震災の教訓から市長権限で即座に被災地支援ができる条例を設け、これまで職員123人が災害支援に出向くなど「防災の先進地」として注目を集めています。
岡山経済同友会も民間業者の在庫を優先的に避難所に融通する「流通備蓄」の体制づくりに積極的に取り組んでいます。