日系3世のカナダ人映画監督が東日本大震災の被災地でボランティア活動を通じて出会った東北の人々との交流を撮影したドキュメンタリー映画「東北の新月」の上映会と、映画に登場したAMDA大槌健康サポートセンターの佐々木賀奈子センター長(鍼灸師)の報告会が2月17日、岡山市北区奉還町のオルガホール岡山で開かれました。
監督のリンダ・オオハマさんは、東日本大震災後、単独来日し地元の方々と交流しながら約2年間ボランティア活動に従事。今回の映画は東日本大震災を風化させてはならないとの思いから制作されました。岩手県、宮城県、福島県の郷土史家や写真家、ボランティアの方々が登場し、彼らの語りを通して、つらさや悲しさ、自責の念を乗り越え、明日に向かって生きる大切さを訴えました。
佐々木賀奈子鍼灸師は岩手県大槌町在住。震災で自宅兼鍼灸院が全壊、自身も津波にのみ込まれ奇跡的に助かった経験を持っています。報告会では、東日本大震災時の、佐々木先生の行動や、AMDAと出会い共に活動するまでの経緯、現在AMDA大槌健康サポートセンターが行っている地域のコミュニティー活性事業のことなどを話しました。
「震災でいったん崩れたコミュニティーを取り戻すことが必要。住み慣れた家を離れざるを得なかった方々にとって、人との繋がりはとても大切。大槌町も人を思いやる気持ちがだんだん戻ってきていることを実感している。思いや理念、信念、ぶれない心の大切さを感じている。また、こうして上映会に足を運んで下さることが有り難い。岡山の皆様とのつながりを今後も感じていきたい。一方的に支援していただくのではなく、想いと想いで繋がり、もし万が一岡山で災害が起こったら助けに行きたい」と述べられました。佐々木さんの生々しい体験談に会場からすすり泣く声が聞こえました。
上映会と報告会はAMDAが主催、おかやまコープが共催。午前と午後の2回催され、約100人が入場しました。