2015年7月21日から22日までの日程で総社市消防団の大月亮消防団長以下15名、総社市消防本部出原巧消防長以下2名、総社市危機管理室小池初男室長以下2名の合計19名が相馬市消防団員との意見交換、防災備蓄倉庫の視察と野営訓練、被災地の復興状況の視察を目的として福島県相馬市を訪れました。
この視察では幾たびかの困難を乗り越え、今まさに復興を成し遂げようとしている相馬市の防災と復興の現状を認識することが出来ました。
目的地の相馬兵糧蔵に到着し、一番目の目的である相馬市殉職消防団員顕彰碑に献花を行いました。引き続き二番目の目的である相馬兵糧蔵を施設見学しました。倉庫には電動式移動ラックに備蓄物資が収納してあり、主要な備蓄品は毛布、布団、飲料水、主食、副食等です。しかもこの備蓄倉庫には移送用のトラックが常置されており、先の震災に相馬市を支援していただいた自治体が被災すると、即時支援を行うことが可能です。実際に平成23年新潟福島豪雨災害、平成23年台風12号紀伊半島豪雨災害、平成25年滋賀県全域の大雨特別警報発令、平成26年広島市土砂災害で支援を行っています。
相馬市では日頃からこれらの締結先と連携を深める事で、震災時に各地の皆様からいただいた支援に「義理返し」する相互応援の体制が整っていました。相馬兵糧蔵では他にも施設が充実しています。低温管理米貯蔵庫には備蓄米が蓄えられ、隣接するコーナーでは炊飯コーナーが設けられていました。
また、通常は研修室として使用する約170?の部屋が有事の際にはパーテーション間仕切りで10室の個室となり、20基の折りたたみベッドを使えば20人の防災関係者が宿泊可能です。この建物の2階には会議室が設けられ、有事には備え付けのキッチンを使用し食堂となります。今回はこの施設を使っての野営訓練と成りました。
二日目は被災地の復興状況の視察を行いました。
最初に職住分離の新しい漁業形態を目指す漁具倉庫付き個別作業所を見学し、続いて原釜地区の鎮魂震災慰霊碑を訪れ、黙祷を捧げました。また、隣接する伝承鎮魂記念館を見学し、震災のありのままの姿に接する事が出来ました。二日間にわたり被災地を視察し、災害の恐ろしさとそれに立ち向かう被災した人達の努力を知ることが出来ました。
ご尽力頂きました、立馬相馬市長様をはじめ市役所職員の皆様方、また相馬市消防団荒忠夫消防団長様と消防団員の皆様、そして被災地でお目にかかった多くの皆様に心から御礼を申し上げます。
報告者 AMDA南海トラフ対応プログラム 自治体連携統括 篠原隆史(救急救命士)