現在も小さな余震が続いているネパールで、活動を行っているスタッフから活動報告が届いている。
カブレパランチョク郡(Kavrepalanchowk)での物資配布
AMDAは、AMDAネパールとの活動と並行し、ネパールの若者たちが自主的に地震被害者の支援をしているPanas-spreading light(略称:Panas)という団体の物資支援活動にも協力している。5月6日に行ったカブレ郡マジ村での物資配布には、本部の大政調整員も参加し、100世帯に対し、お米などの食料品や衛生物資を配布した。
それに引き続き、5月9日にはカブレ郡マハデヴスタン村の80世帯に、米や豆などの食糧品と共に、生理用品やせっけんなどの衛生用品を渡すことができた。この村は、周辺の村と違い、自治体職員が不在のため、地震の後に10キロの米が配布されたのみで、支援が全く届いていなかったという。 そのため、PanasのメンバーとAMDA多国籍医師団は村人に歓迎され、支援物資を配布することができた。支援物資を受け取った女性は、「十分ではないけど、助かります。」と感謝の気持ちを伝え、チョコレートをもらった子供たちはとても喜んだ。
活動を共にしたPanasの代表からは「実際、山間部に入っていくと、支援が十分に届いている地域とそうでない地域があり、今後も、十分に現地の情報や声を拾いながら、復興に向けても仮設住居や仮設トイレなどの支援を続けたい」と被災地に対する熱い思いを語ってくれた。
シンデゥパルチョク郡(Shindhupalchwok)での医療支援活動
15日には、日本からの派遣者を含むAMDA多国籍医師団は、担当地域となったシンデゥパルチョク郡カダンバス(Kadambas)に移動し、16日から医療支援活動をスタートした。ネパール軍から提供を受けた3つのテントを仮設診療所として活動をしている。
16日には140人の患者を診察した。主な症状としては、外傷治療後の再診、軽度の外傷、消化性潰瘍性疾患、急性胃腸炎、上気道感染など。その他にも、AMDA看護師が中心となって衛生教育を行った。また、仮設診療所の周囲に住んでいる子どもたちと一緒に、ゴミや生ごみなどを集めて清掃活動を行った。カダンバスにはおよそ2,300から2,500人、830世帯が暮らしており、余震を含む今回の地震により80人の死亡が確認されている。この地域にあるほとんどの家屋は煉瓦と土でできた簡素な造りで、地震によりほとんどが全壊している状況。なおこのネパール地震による5月18日までの死者数は8,604人、負傷者16,808人。12日に発生した余震により、死者、負傷者が増加している。さらに、420万人が被災し、280万人が住居を失い、避難生活を余儀なくされている(WHO,UNHCR発表) 。
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