8月29日、広島県土砂災害の被災地に到着したAMDA派遣チーム(鍼灸師1人、調整員1人)は、被災地と避難所を視察、また地元の看護師らから情報を得るなどにして情報収集にあたった。
今回の派遣では、2つの地元の鍼灸師・マッサージ師の団体が避難所でボランティア活動を実施するという情報を得たので、両団体協力の元、AMDAは後方支援という形で活動を実施することになった。
8月30日、広島県鍼灸師会の鍼灸師6名が、広島市安佐南区で避難所となっている佐東公民館で市の許可を得て、置き鍼(つぼ刺激用の円皮鍼およびカイロ式の温灸)を使用した治療を実施。AMDA派遣チームもこの活動に参加した。
避難所で休憩をしている方々に対して、個別に声をかけて回り、診てほしいという方に対して施術し、AMDA今井鍼灸師は13人の避難者に対して治療を実施することができた。
避難所で生活している方の多くは、日中は防犯や土砂撤去作業などで自宅に戻る方も多く、施設内で休まれている避難者の数は少なかったが、治療を受けた避難者の方達からは、
「避難所生活はとてもストレスなので、こういうことをしてもらうと、本当に気持ちいい」
「痛みが和らぐ」などの声を頂いた。
さらにボランティアで来ていた学生からも、
「ボランティアできた自分たちが、施術してもらうのは申し訳ないかと思ったけれど、やってもらうと気持ちがいい」
「ボランティア作業にもやる気がでた」と話してくれた。
つづいて、避難者が600人を超える梅林小学校に行き、同様に市の許可を取って、避難者への声かけを行った。ここも佐東公民館と同じように日中は外に出られている方が多かったが、AMDA今井鍼灸師は2人の避難者に対して施術することができた。
8月31日には、広島県鍼灸マッサージ師会のメンバー約40名が、佐東公民館と梅林小学校に分かれて避難者に対し鍼灸・マッサージ等の施術を行った。AMDA鍼灸師はこの活動に参加した。AMDA調整員は、この日別の避難所(八木小学校)で活動を行っている広島県鍼灸師会の活動に合流。どこの避難所も日中に滞在されている方は少なかったが、両団体は各避難所で治療を希望される方に対して施術を行った。
今回の活動では、地元の団体である広島県鍼灸マッサージ師会、広島県鍼灸師会の後方支援という形での活動となったが、いずれの団体も災害時における支援活動は初めてのことで、AMDAは東日本大震災で、鍼灸を使って活動した経験を共有することができた。今後の支援については、避難所の状況や医療、健康などの状況を注視して決めていく予定。
なお、この大規模土砂災害による死者は72人、行方不明者は2人、負傷者は44人。未だ10カ所の避難所で413世帯881人が避難生活をしている。(広島県災害対策本部9月2日8時30分発表)
■これまでのAMDAからの派遣者プロフィール
今井賢治(いまい けんじ)
AMDA災害鍼灸ネットワーク代表世話人/明治国際医療大学教授/鍼灸師
京都府在住(東日本大震災緊急医療支援・復興支援に派遣)
中川雅人(なかがわ まさと)
AMDA本部職員プロジェクトオフィサー/調整員/岡山県在住
武田未央(たけだ みお)
保健師/岡山県在住(スリランカ医療和平事業、ニュージーランド地震支援などに派遣)
山﨑 梨枝(やまさき りえ)
AMDA本部職員 プロジェクトオフィサー/看護師/岡山県在住
山河 城春(やまかわ しろはる)
保健師/埼玉県在住(東日本大震災復興支援事業に派遣)
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