12月22日にミンダナオ島カガヤン・デ・オロに到着した、AMDA日本・インドネシアの医療チームは、22日と23日に被害の大きかった地域のキャンプ地をニーズ調査のため巡回視察した。調査の結果、物資の調達や準備を行い、24日と25日に巡回診療を実施した。
問診をする地元看護師 |
多くの人が診察を希望して列を作った |
診察の様子 |
簡易的に設置した薬局の様子 |
支援物資の配給で被災者とバイヤン医師 |
支援物資を手渡すユスフ医師 |
24日のAMDAの活動にはAMDA日本チーム、インドネシアチーム、フィリピン軍チームのほか、フィリピン医師団のボランティア医師、フィリピン看護協会の看護師らが大勢参加した。24日はイプゥナン(Iponan)、ブラオ(Bulao)、バルラング(Balulang)、ノース シティセントラル(North city central)で巡回診療を実施し、3875人の診察を行った。
巡回診療の診察に訪れた人の多くが咳などの呼吸器症状を訴えており、子供は咳などの呼吸器症状とともに高熱がみられる症例も多かった。上気道感染に次いで、皮膚疾患、下肢の外傷とその感染が多く、下痢も少数ではあるが確認された。地元の病院は機能しているが、経済的な問題で受診できない患者が多く、下肢の傷などが悪化しているケースが見られた。診療活動に参加した医師によると、多くの患者が精神的な問題を抱えており、必ずしも治療を必要とするものばかりではなく、ビタミンなどの処方やこころのケアが大切である。今後避難所での生活が長引けば長引くほど避難キャンプでの疾患が蔓延する可能性がある。
さらに、ブラオのキャンプでは小学校の教室が避難所になっており、子どもに簡単な健康教育を実施した。参加した子どもたちは、手洗いの必要性を指導するため作成した絵を楽しそうにみつめ真剣に耳を傾けた。
イプゥナン、ブラオでは、巡回診療の他に、毛布や水、米、缶詰などの支援物資の提供を行った。
また、被害が最も酷く、自宅をすべて失った被災者の多いチバサック(Tibasak)では、屋根や床の代用として使用するためのブルーシート、釘、ワイヤーや毛布なども提供した。
25日は、マカサンディング(Macasandig)のセント・ルーデス高校で活動を実施した。この日はクリスマスということもあり、避難所でクリスマスイベントが行われており、フィリピン医師会(MedicalAssociation of Philippine)が仮設病院を設置していた。医師らは全員がサンタクロースの帽子をかぶり、体育館は温かい雰囲気に包まれていた。25日の診療に携わったフィリピン医師会の医師は100人以上で、診察した患者数は1775名であった。AMDAは、フィリピン医師会に薬品を提供し、被災者に対して支援物資を配った。
27日には、AMDAフィリピン支部の医療チームが医薬品をマニラから持って、ボートでミンダナオ島カガヤン・デ・オロへ出発した。このAMDAフィリピンチームは、フィリピンのラジオ局DZRHの緊急医療支援チームの医師らと合同で構成されている。マニラから派遣した医師は総勢15人。ミンダナオ島には1月2日まで滞在し、4日間ほど巡回診療をする予定である。
26日フィリピンの国家災害リスク軽減・管理評議会のラモス議長の発表によると、台風21号による死者は1236人になっている。現在も1000人以上が行方不明となっており10万8000人以上が避難している。
■これまでの日本からのAMDA派遣者
武田 未央(たけだ みお):看護師・保健師/岡山県在住
大山 マジョリ (おおやま マジョリ):調整員兼通訳/倉敷フィリピーノサークル所属/岡山県在住
■現地で連携する団体
・フィリピン軍(AFP)第1技術行政サービス大隊
・フィリピン軍(AFP)ミンダナオ島第4歩兵師団
・フィリピン・ファミリー・フィジシャン・アソシエーション
・フィリピン・カレッジ・オキュペ―ショナル・メディスン
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