1月18日に日本を発ったAMDA派遣チームは、現地時間の1月19日にブラジル・サンパウロに到着。20日にリオデジャネイロに移動し、現地の情報収集活動を行った。
被害の大きかったノバフリブルゴ(Nova Friburgo)市は山奥にある町で、ブラジル陸軍・海軍が避難所を設営し、ブラジル赤十字が巡回診療を行なっており、生活支援物資の配給は、地元の行政機関や教会が行なっていた。しかし、降り続く雨によっていつ再び土砂災害が起こってもおかしくない状況が続いていたため、住民に安全な場所まで支援物資を取りに行かなければいけない状態であった。また、リオデジャネイロ州に住む日系家族の数十世帯が被災し、うち3~4世帯は家屋が全壊しており、それ以外の多くの世帯で水耕栽培、ビニールハウス、畑の被害を受け、その被害は数千万円にもなっていた。
このような状況から、AMDAは「支援物資へのアクセスが難しい人々への直接的な物資の支援」及び「日系家族の方への儀損金支援」することを決定した。
2月3日、片岡総社市長が在日ブラジル大使館でマルコス・ガウヴォン大使と面会し、AMDAが被災地で生活支援物資を提供するために、ブラジル赤十字が案内役を務めることを正式に依頼した。2月10日、ブラジル赤十字の協力の下、リオデジャネイロ市で豆乳粉ミルク缶 250缶を調達。2月12日、ノバフリブルゴ市の被災家族へ豆乳粉ミルク缶を届けた。この際、ノバフルブルゴ日系協会(注1)・渡辺会長が同行し、ともに活動を行った。
一方、日系家族への支援にむけて、片岡総社市長を通じて、在リオデジャネイロ州日本国総領事館の木村主席領事の協力を得ることができ、洪水直後から日系人被災家族への支援を行なっているリオデジャネイロ州日伯文化体育連盟(注2)を通じて、日系被災者の方への支援を行うことが決定。2月9日、石岡看護師から同連盟へ義捐金を贈呈した。同連盟からは、AMDAと総社市のリオデジャネイロ洪水被害支援に対して感謝状をいただいた。
また、譚調整員の帰国後からは、在リオデジャネイロ州日本国総領事館から紹介頂いた、国費留学生協会の会長フェルナンド・ジル氏が言語・生活・活動面でAMDA石岡看護師のサポートを行った。
1月26日付けのCNNの情報によると。死者数は827人にのぼり、被害の大きかったノバフリブルゴ市では399人、テレソポリス市では335人と言われており、ブラジル史上最悪の自然災害となった。2月13日時点でも、土砂に埋まった死体の引き上げ作業が続いていた。
(注1)ノバフルブルゴ日系協会:ノバフルブルコ市に住む日系人で構成された協会。リオデジャネイロ州日伯文化体育連盟に所属。
(注2)リオデジャネイロ州日伯文化体育連盟:リオデジャネイロ州内の24市の日系協会で構成された連盟。
(注3)国費留学生協会:日本政府の国費で日本へ留学経験のある者で構成された協会