インド担当 岩尾 智子
2009年に開所したAMDAピースクリニック(APC)は、2014年より妊産婦を対象とした母子保健活動を継続して行っています。主な活動は妊産婦健診とマタニティークラス(健康教育・栄養プログラム)です。
1年で一番暑い季節ですが、5月は妊婦健診を2回行い、のべ69人(うち6人は新患)が訪れました。健診を受けたスシュマさんは、「APCにお世話になっていた義理の姉の紹介で、私もこちらに通うようになりました。今日の健診内容は、体重測定、リタ医師による診察、血液検査でした。処方された薬もその場で受け取ることができ、無料です。通常1,000ルピー(約2,000円)かかる超音波検査もAPCの支援により200ルピー(日本円で約380円)で受けられるようになりました。このようなAMDAからの支援をとても嬉しく思います。ありがとうございます。」と話しました。
加えて、毎週水曜日に行うマタニティークラスの開始時間を比較的涼しい午前10時に早めて計4回開催し、のべ91人が参加しました。参加者から出た質問にAPCスタッフが答える週もあれば、「脱水症について」など健康に関する知識を参加者に共有する週もありました。マタニティークラスの後、週によってメニューが替わる軽食を提供。野菜の天ぷらやミルク粥を提供する週もあれば、リンゴ、バナナ、スイカなどを配布する週もありました。参加したタバッサムさんは、「今回、2人目の妊娠でAPCにお世話になっています。1人目もこちらでお世話になり男の子を授かりました。1人目妊娠中はコロナ禍で感染拡大防止のためのロックダウンが行われていた時期でもありました。当時、APCから支援いただいた野菜などの食糧はコロナ禍で生きていくのに本当に助かりました。今回いただいたニンジンはAMDAが行っている農業プロジェクトで収穫されたものだと伺いました。いつもありがとうございます。」と話しました。
5月末には連日最高気温が45度前後になる日が続き、死者がでるほど危険な熱波がブッダガヤを襲いました。それに伴いAPCは1週間程度,マタニティークラスを含むすべての活動を休止しました。