新型コロナウィルスの蔓延から一年が経過しました。昨年後半から現在にかけてのAMDA各国支部をとりまく状況について随時お伝えしていきます。
■台湾
他国と比べ、比較的に感染者が少ない台湾。その為、AMDA台湾支部による報告では、支部単体の活動についての言及はなく、国内における現状の報告が主な内容となっています。2021年3月5日時点での感染者数は960人、隔離解除者数は928人で死者は9名に留まります。これまで軍艦内で発生した集団感染があったものの、感染したケースの多くは国外から持ち込まれたものが大半です。3月3日、台湾疾病管制署(CECC)は、3月3日午前、アストラゼネカ社が製造したコロナワクチンの第一便11万7千本が韓国から桃園国際空港に到着したと発表しました。今回の11万7千本の出荷は、アストラゼネカが台湾との供給契約に基づき、近日中に納入するワクチンバッチの一つです。疾病管制署は、予防接種実施諮問委員会(ACIP)が推奨する優先順位で個々人にワクチンを提供する予定です。医療従事者はACIPの優先順位リストに従って優先的に予防接種を受ける見通しとなっています。
■マレーシア
AMDAマレーシア支部長
バラヴェンドリアン医師
AMDAマレーシア支部では、事務局長であるエリザベス・アンソニー医師がマレーシア保健省管轄の地元ペナン州副保健局長を務めています。ペナン州にある全ての政府系病院を統括するほか、またコロナ対応タスクフォースを指揮しています。一方、マレーシア支部長のアンソニー・バラヴェンドリアン医師も一般市民向けにワクチン接種を行う際のボランティアとして保健省に登録しています。政府のコロナ対応は、十分なマンパワーを配して、統制のとれた形で行われています。今後もAMDAマレーシアは保健省と協力し、必要に応じてワクチン接種等の面で可能な限り支援を提供していく方針です。またロックダウン後の状況に鑑みて移動診療なども行っていきたいということです。
■ボリビア
1998年の支部設立当初より緊急医療に
力を入れているAMDAボリビア支部
現在ボリビアにおける新型コロナウィルスの状況はあまり芳しいとは言えません。開発途上国であるボリビアは特に医療セクターにおいて多くの難しい問題を抱えています。このほか国内では昨年大統領選挙が行われたばかりで、選挙後の開放感から、人々のコロナ感染に対する意識が緩んでしまっている状況です。こうした結果がコロナ患者の増加へとつながっています。一方、先頃よりワクチンの配布が医療従事者に対して始まりました。一般市民に対するワクチン配布はまだ開始されていませんが、近いうちにこれが始まることで、コロナウィルスの感染拡大に歯止めがかかることが期待されています。尚、コロナ感染警戒エリアで活動できるのは、政府から許可された国立病院の医療従事者等のみに限られている為、支部としての活動も限定的です。ボリビア支部が恒例で行っている救急救命士のトレーニングも、8ヶ月間待った後、昨年11月にようやく再開され、今年2月まで実施することができました。現在は三つのコースを毎月6月までの予定で組んでいる状況です。