インド北東部に位置するビハール州ブッダガヤにおいて、AMDAは2009年よりAMDAピースクリニック(APC)を拠点に活動しています。2014年からはAPC近隣住民を対象とした母子保健事業を行っており、主な活動は1)妊産婦健診と2)マタニティークラス(健康教育・栄養プログラム)の2つです。
1) 妊産婦健診
月2回行う妊産婦健診には、毎回30人前後が集まります。まず、APC現地スタッフによる体重測定と患者さんからの聞き取りを行った後、現地の産婦人科医による診察があります。必要に応じて薬やサプリメントが処方され、場合によっては血液検査、超音波検査も必要となります。AMDAは薬・サプリメントを無料で提供し、さらに現地検査技師による血液検査の全額、提携先で行われる超音波検査にかかる費用の6割を負担しています。加えて、経済的に厳しい患者さんには状況に応じて、必要な治療の一部を支援しています。
健診を終えたピンキーさんは「APCを利用していた近所の方から、APCがいいよ、と伺って、こちらでお世話になることになりました。薬やサプリメントの提供、血液検査・破傷風の予防接種も受けられて便利です。ありがとうAMDA。」と話しました。
2)マタニティークラス(健康教育・栄養プログラム)
コロナ禍で一時中止せざるを得なかったマタニティークラスを再開しています。同クラスでは、APCを利用する妊婦など20人前後が集い、その時々にあった健康に関する話題についてAPCスタッフから説明した後、参加者に食事(野菜スープ、くだもの、にんじんプリン、野菜の天ぷらなど週によって変動)を提供します。この報告期間中、妊娠中の出血、母乳育児、妊娠中に特に注意する感染症、子宮破裂、結核など様々な話題を取り上げました。子どもを連れて来られる方もおり、週によっては話題を決めず自由に話せる場としても活用されています。
ある参加者は、「1人目の妊娠がわかった時からAPCにお世話になっています。毎週、違うトピックについて話してもらえるので、このプログラムを通じてたくさんのことを学んでいます。今日は結核の原因、症状、予防策などについて学びました。先週、近所の子どもが結核で亡くなりました。近くにAPCがあるので助かっています。」と話しました。