モンゴル救命救急研修を再開   – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

モンゴル救命救急研修を再開  


AMDAは、2012年9月より、ウランバートル市内で緊急医療をおこなっているモンゴル保健省直属のウランバートルエマージェンシーサービス(通称103)において救命救急研修を実施しています。これまで200人以上の医療関係者がこの研修や関連のセミナーを受けました。

2017年から2019年までは、毎年、佐藤拓史医師(AMDA理事/日本外傷治療研究機構インストラクター)による研修を行いました。コロナ禍により、2020年から2年間は研修を中断しましたが、2022年は、佐藤医師による外傷治療における診断と必要な治療技術のセミナーが2日間に渡って開催されました。モンゴルの救急車は、日本でのドクターカーに相当します。各救急車に救急医が同乗し、現場での診断と治療が可能なため、救急医にはより高い知識と治療技術が求められています。今回の研修はポータブル超音波を用い、内科的診断や外傷の診断など、救急医に求められる様々な場面での正確な超音波診断の習得を目指しました。また通常の方法で輸液ルートが確保できない場合に必要となる骨髄内輸液の手技や、様々な状況を想定した客観的臨床能力を向上させるためのプログラムを実践しました。


今回は、ウランバートル周辺の救急医も含め26人の医師が参加しました。近い将来に救急車に超音波の装備が考えられている中での研修は、優先順位の高いものでありました。 研修後、ウランバートルエマージェンシーサービス103の署長と佐藤医師とでポータブル超音波の導入についての具体的な検討が行われました。そして約半年後に5台の導入を決定したとの署長からの連絡をうけました。これはモンゴルの救急体制が大きく変わるきっかけともなりました。

佐藤医師の感想:
今回、モンゴルの救急医療を担っていく若き医師たちにとっては初めての経験も多かったようで、楽しそうに一生懸命に研修を受けていました。その素朴で素直な姿勢に、感銘を受けました。彼らは、情熱と責任感に満ちており、今よりもっとできるようになりたいと願う気持ちがとても大きく、将来が期待されてます。