出前授業の依頼を受け、1月14日、AMDAボランティアセンター事務局長の竹谷和子が、岡山市立幸島小学校6年生13人に「AMDAの目標及び仕事について」と題し、特別授業を行いました。私は広報して同行しました。
私たちが教室に入ると、AMDAのことはあまり知らないけれど、この日の特別授業や私たちに興味津々の生徒たち。この生徒たちに、長年県内の中学校の教員として多くの生徒たちと向き合ってきた竹谷の、「どんどん声かけていくから返してね。OK?」というコーラスで培った大声の呼びかけで竹谷の授業は始まりました。AMDAの説明から始まり、「AMDAが定義する『平和』」の説明の前に、「平和とは何ですか?」と生徒たちに問います。生徒たちはこの質問に思い思いの回答をしました。どれもきちんと考えられた、素晴らしい回答でした。竹谷から「回答してくれた人、そして手を上げられなくてもみんな、目をキラキラして考えてくれたことがよくわかる。本当に素晴らしい。」と拍手とともに、生徒全員を賞賛しました。
更に授業は続き、ハイチ地震復興支援の時にドミニカ共和国で出会ったハイチの子どもたちのこと、バングラデシュでの活動のことなど、自身が経験したことを子どもたちに出来る限り伝えました。トピックが終わるたびに、大声で竹谷からの「OK?」、そして生徒たちからの「OK!」のかけあいが幾度も繰り返されました。力一杯授業を行う竹谷の話を生徒たちが集中して聞いていることは私から見てもよくわかりました。特にこの授業で最も伝えたかった、「『助けてあげる』ではなく『助け合う』」という相互扶助についても、生徒たちは強く同意していました。
休憩時間には、竹谷が用意した様々な国の民族衣装に生徒たちも近寄り、「かわいいね。」「外国の人は派手な色を着るんだね。」「どれ、着たい?」など話が盛り上がりました。
1時間半という特別授業を終え、竹谷自身は無事に終えることができたと、授業後やり切った様子で話しました。後日、手作りでまとめられた生徒たちからの感想文を送付いただきました。感想文には、AMDAのことはもちろん、「人は皆平等で、その人のことを認め合い、お互いに尊重することで助け合うことがわかった。」「助けてあげるは上から目線でえらそうな感じがするから、『助け合う』というほうがいいと思った。」「相手が困っている時に助けると、自分の困った時にも相手は助けてくれるはずです。だから身近なところから始めていきたいです。」など書かれてあり、竹谷が心から伝えたかった想いはきちんと届いていました。まさに、これが彼女の最期の授業、「魂の授業」でした。
尚、日本で唯一「幸島」と名のついた幸島小学校は今年3月で閉校し、4月より近隣の小学校・中学校と統合し、移転します。