AMDA南海トラフ災害対応プラットフォームでは、南海トラフ地震発生後出来る限り早く被災地で必要な医療支援活動が行えるように準備を進めています。徳島県・高知県内8カ所にて活動する医療機関と自治体を事前に設定、「顔の見える」関係構築を目的に、毎年「AMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム調整会議」ご招待に加え、医療機関が活動予定の自治体を訪問する「事前交流」などを行っています。(コロナ禍により2020年度以降は中止。)
岡山県倉敷市にある公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院は、2016年に同プラットフォームへのご参加いただき、翌年12月には「事前交流」として、同病院より医師2人、看護師1人がAMDA職員らと一緒に活動予定地の徳島県美波町を訪れました。町長や町役場の方々、そして同町にある美波町国民健康保険美波病院などを訪問、南海トラフ災害の想定情報、対策などを伺いました。その後も交流に加え、2019年9月には徳島県総合防災訓練、同年11月には美波病院の防災訓練にも倉敷中央病院医療チームが参加しました。
その後コロナ禍のため、訓練等の中止などありましたが、倉敷中央病院は2021年10月より改めて南海トラフ災害対応に向けた準備を再開。そして2021年12月7日に同病院で職員らを対象とし開催された講演会には、総合診療科 國永 直樹 医師を始めとする職員の方々に加え、美波病院より本田 壮一 院長を始めとする職員の方々、徳島県美馬市にある医療法人芳越会 林 秀樹 理事長(AMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム運営委員会委員長)、AMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム運営委員会副委員長 鈴記 好博 医師、そしてAMDAもオンラインで参加しました。
講演会の冒頭、國永医師より「AMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム」や、徳島県内並びに活動予定地の美波町周辺の医療機関の状況などご説明があり、その後本田院長、林理事長、AMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム合同対策本部 大西本部長らより、徳島県内の医療状況や災害発生時に予想される流通・交通状況などについて述べられました。その後、國永医師による、「被災者らを我慢させない支援」の最低基準「スフィア」についての紹介が続きました。
画面越しではありますが、オンラインで参加した倉敷中央病院職員の方々、美波病院職員の方々も登場され、「顔の見える」関係に近づけたのではないかと思います。倉敷中央病院も引き続き、南海トラフ災害への対応について今回のような機会を計画される予定とのことです。
私どもも積極的にご準備される医療機関の皆様に感謝するとともに、発災後出来る限り早く被災地に派遣される医療チームが活動できるよう準備を進めてまいります。
【倉敷中央病院様から頂いたコメント】
当院は、南海トラフ災害対応プラットフォームに参加した後、DMATメンバー以外で美波町災害支援チームを創り、準備してきました。コロナ前までは年1-2回の交流がありましたが、コロナにより交流は途絶え、集合研修のような院内勉強会もストップしていました。ポストコロナだからこそできるオンラインカンファレンスを通して、顔の見える関係性を少しずつ再開していきたいと考えています。今後は美波町/美波病院とともに、楽しく勉強会を開催できればと考えています。今後とも何卒よろしくお願い致します。