ネパール担当: アルチャナ ジョシ
AMDA ネパール支部は1989年に設立され、1990年にネパール政府の非営利活動法人AMDAネパールとして認可されました。以来、ネパールの地域住民への保健医療サービスを提供しています。AMDA ネパール支部はダマック市、メチナガル市とブトワル市に病院を、ゴカルネスォル市では歯科クリニックをそれぞれの自治体と商工会議所と協力しながら病院運営をしています。
2022年9月下旬にAMDAの菅波理事長が、AMDA ネパール支部が運営する三つの病院と歯科医院及び病院に協力していただいているそれぞれの市の市長・副市長、商工会議所を表敬訪問しました。
AMDA ダマック病院
AMDAダマック病院はブータン難民キャンプ内の一次診療所で治療できない救急患者や手術が必要な患者を受け入れる病院として設立し、現在は100床の総合病院として地元住民や難民が医療サービスを受けています。地方の病院は最新の医療機器や専門医が不足している理由から患者を都市部の病院に搬送せざるを得ない状況が発生しています。AMDAネパール支部は医師や看護師の研修に力を入れており、AMDA 本部の支援のもと内視鏡の検査・腹腔鏡の手術をAMDA ダマック病院で実施できるように専門医の研修をネパール・日本・バングラデシュ支部で実施してきました。また、最新の医療機器の購入などの支援を行っています。
AMDA保健医療学院(AMDA Institute of Health Science)は1995年に設立。以来、人財育成センターとして看護師、助産師補助、臨床検査技師、地域医療アシスタントの育成コースを実施しています。AMDA 保健医療学院には寮があり、学費も手ごろなので、ネパール全国からの生徒がここで勉強しています。この度は、前市長、今期の市長及び副市長にお会いしました。タパ市長はAMDA ダマック病院が設立時から病院の運営に積極的協力してくださっています。今後とも自治体とAMDA ネパールと協力し、住民の健康を守るために必要な保健医療活動実施していくためにできることを協力するとお話されました。
シッダールタ母と子の病院
1998年に阪神淡路大震災後に日本とネパールの多くの支援者の協力により設立された「シッダールタ母と子の病院」は母子保健に特化した病院としてブッダが生まれたルンビニ州のブトワル市で保健医療を提供しています。現在は100床の病院ですが、ブトワル市役所、ブトワル商工会議所、シッダールタ母と子の病院とAMDAネパールは協力して300床の母子保健に特化した最新の治療ができる病院を建てたいと計画をしております。病院増築に関しては膨大な資金と優れた人材が必要になります。日本の病院の見学し、ネパールでの病院増築に生かしたいと、近いうちに関係者が日本を訪問する計画をしています。
24年前からAMDAがブトワル市やその周辺の母子保健事業に貢献してきたことが評価され、ブトワル市役所の推薦によって今年4月中旬にネパール大統領から菅波理事長に勲章を授与する運びになりました。
AMDA メチ病院
AMDAメチ病院は15床の小さな病院です。内科の診療を主にしていますが、近くに母子保健の診療所がないため、今後、産婦人科医や医療器具を増やし、総合病院として住民の健康増進に関わっていくことを考えています。それぞれの自治体の市長や副市長からも引き続き病院の運営に協力する意思が示されました。
AMDA支部事務所シマズ歯科クリニック
カトマンズ盆地のゴカルネスォル市にAMDA ネパール支部の事務所があり、その事務所の一階にシマズ歯科クリニックがあります。また、AMDA ネパール支部はゴカルネスォル市役所と共同プロジェクトとして市内に住むすべての女性対象に子宮がんや乳がん検査を実施しています。この度、ゴカルネスォル市長を表敬訪問しました。市長からは女性の健康を守り、職業訓練に力を入れるプロジェクトについて説明を受けました。女性が経済的に自立し、健康になれば家庭が明るくなり、町自体が活発になるため今後もAMDAネパールと共同プロジェクト実施していきたいと話をされました。