ネパール・インド洪水緊急医療支援活動 5 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

ネパール・インド洪水緊急医療支援活動 5

ネパール・インド洪水緊急医療支援活動 [pagebreak]

 ネパール・カイラリ郡での巡回診療の様子

1.インド・ビハール州での緊急医療支援活動
AMDAは、ビハール州政府とユニセフ(国連児童基金)ビハール州事務所と協議し、9月10日に開始した緊急医療支援活動を21日に終了した。
同州アラリア県のプライマリーヘルスセンター(PHC)での診療と、同州アラリア県とスパウル県の避難所16ヵ所で巡回診療を行った。道路や橋の崩壊、移動車両の故障などにより救援活動に支障がでることもあったが、2,578人(PHC 311人、巡回診療2,267人)の被災者を診療した。主な症例は、呼吸器疾患(33%)、下痢(27%)、筋肉痛(14%)、胃痛(9%)、皮膚炎(9%)であった。
日本から被災地に派遣されていた藤本調整員は、在インド日本大使館で活動報告などを行い、9月29日に帰国した。

<派遣者>
計10人
AMDAインド支部       医師2、研修医・医学部生3、看護師1、薬剤師1
AMDAネパール支部     医師2
AMDA本部           調整員(藤本明子)1

 

 

 

<実施協力団体>
マニパール・カスツルバ医科大学(インド カルナタカ州マニパール市)

2.ネパール・スンサリ郡、カイラリ郡での緊急医療支援活動
AMDAネパール支部は8月21日から9月16日まで、スンサリ郡の3,500人が生活する避難キャンプに仮設診療所を開設して、1,813人の患者を診療した。15歳以下が約44%を占め、主な症例は、急性咽頭炎(30%)、熱(7%)、下痢・赤痢(7%)、気管支炎(6%)、寄生虫感染(6%)、皮膚炎(5%)だった。
また、9月19日に降雨による洪水と地滑りが、同国中部・最西部で発生した。国連人道問題調整事務所(OCHA)によると18万人が被災した。9月26日AMDAネパール支部は、被害が甚大だったカイラリ県に緊急医療チームを派遣した。調整員1人、医師2人、医療事務員1人、薬剤師1人、調整員補助1人の計6人で編成し、同県中心部から車で3時間の僻地で診療活動を行い、10月1日に活動を終了した。

<派遣者>
スンサリ郡への派遣  計36人
AMDAネパール支部・AMDA病院
医師6、看護師1、医療事務員14、調整員他15

   カイラリ県への派遣  計6人
AMDAネパール支部・ネパール子ども病院
医師2、医療事務員1、薬剤師1、調整員1人、調整員補助1

3.被災状況
8月中旬から続いたモンスーンの影響で、8月18日にネパールのコシ川でダムが決壊した。下流に位置するネパールのスンサリ郡・サプタリ郡とインドのビハール州で大洪水が発生した。インド政府の発表によると、ビハール州では9月17日までに死者が208人にも上り、10月7日時点で484万人以上が避難している。また、ネパール政府の発表によると、ネパールでは10月3日までに7万人が被災した。