ホンジュラス洪水被害に対する緊急支援活動 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

ホンジュラス洪水被害に対する緊急支援活動

10月16日(現地時間、日本時間は+15時間)、熱帯低気圧16号がホンジュラス共和国の北部に上陸した。その後、低気圧はホンジュラスに停滞し、ホンジュラス全国で、豪雨による河川の氾濫、洪水、土砂崩れによる被害が発生している。これを受け、ホンジュラス大統領府は10月19日に国家緊急事態宣言を発表した。 [pagebreak]ホンジュラス緊急事態対処常設委員会(COPECO)は、10月24日時点で、死者30人、避難者5万5000人、被災者67万6000人と発表している。同委員会は北西部と南部および首都テグシガルパを含む中東部地域を警戒地域に指定している。現在、同国北部・南部の被災地へは交通のアクセスが出来ない状況である。

 AMDAは10月23日、AMDAグループのAMDA社会開発機構日本人職員2人及び現地職員12人全員の無事を確認した。同日本人職員からの緊急救援のニーズに関する情報を踏まえ、AMDAグループは、ホンジュラス洪水被害に対する支援活動を実施することを決定した。

 10月24日、渡辺咲子現地事業統括と現地職員2人が、AMDA社会開発機構の事業地であるエルパライソ県のダンリ市において調査を実施した。首都テグシガルパからダンリ市へ向かう途中の道路も、土砂崩れによって、片側通行となっている箇所がいくつもあった。渡辺事業統括らは、同市において県の緊急対策委員会の会議に参加し、県保健地域事務所長をはじめ保健所職員と被災状況、ニーズ、緊急救援の場所の選定などについて協議した。その後、キューバ人医師や保健所職員と共にフティアパ保健所を訪問し、被災状況を確認した。同市では、家屋の全壊・半壊、浸水の被害が出ており、現時点で、3人が死亡、679人が避難し、2300人以上が被災しているとのことである。
 同市の保健所は機能しているものの、河川の氾濫、道路の冠水により保健所へアクセスできない住民が多く、中でも、皮膚系の疾患、レプトスピラ症(家畜などの排泄物から感染する疾患)、喘息などの呼吸器系疾患が目立つ。また、今後、マラリアやデング熱などが広がることも懸念されている。
 上記調査結果を受け、25日に首都テグシガルパで医薬品などを調達し、26日にダンリ市において県地域保健事務所と調整を行ったのち、27日から同県のニーズの高い地域において渡辺事業統括と医師を含む現地職員が、保健所職員とチームを組んで巡回診療を行うことを決定した。

【救援に従事している日本人職員】
AMDA社会開発機構 ホンジュラス事業統括  渡辺咲子
AMDA社会開発機構 業務調整員        浦上晶絵

【AMDAグループがホンジュラスで実施している事業】
1.エルパライソ県母子保健向上支援事業 2007年〜継続中
  (エルパライソ県トロヘス市、ダンリ市、エルパライソ市)
  保健所職員、伝統的助産婦(TBA)、ヘルスボランティアの育成・能力向上、連携強化
2.世界基金エイズ予防事業運営管理 2004年〜継続中 (全国)
  HIV/エイズ予防・啓発プログラムを実施する現地NGOの統括、評価・モニタリング

<皆様からの募金を受け付けております>
郵便振替:口座番号01250-2-40709  口座名「特定非営利活動法人アムダ
*通信欄に「ホンジュラス・洪水」とご記入下さい

   

 県の緊急対策会議で県保健地域事務所長(右)と協議する渡辺事業統括   
エルパライソ県保健地域事務所長(右)と
協議する渡辺事業統括