イタリア地震被害に対する緊急支援活動 2 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

イタリア地震被害に対する緊急支援活動 2

4月10日関西空港から出発した津曲医師と谷口調整員は、11日にローマに到着した。[pagebreak]ローマからは地元NGOのUNITALSI(*注1)による移動手段確保により、同日のうちに被災地ラクイラ県に入ることが出来た(11日現地時間午後5時ころ)。被災地近くの山では山頂が雪に覆われており、夜は氷点下になるという気候である。12日、津曲、谷口両名は、UNITALSIのスタッフとともに、ラクイラ内にて次のように被災状況調査を行った。

  • 大学病院内の駐車場などに設置された避難所と、地震後閉鎖された病院に代わる仮設病棟の視察。病棟は外観の被害はあまり見受けられないものの、構造上の問題があるらしく、全く機能していないため、地震前に入院していた300人の患者の多くは、被災地域外の病院に転送され、100人ほどが仮設病院に残っている状況である。
  • ラクイラの旧市街地(歴史的建造物のある地域)を消防士のガイダンスのもとに行った。旧市街地では、狭い路地に石造りの壁が崩れ落ちており危険な箇所が多く、全ての住民が避難所に退避している。ここでは水道・電気が通じており、無人の街にアラームが鳴り響き、無人の店内ディスプレイを照明が照らしているところもある。現在も行方不明者を捜索している区画があるという。
  • 550人が避難生活をしているバンニョ(Bagno)キャンプを視察。他のキャンプ同様に内務省が配布したブルーテントで、家族ごとに生活している。小型発電機が多数設置され、テント内は電化されている。仮設トイレには、車椅子用のものも用意されている。ここでは150人のボランティアが支援活動にあたっている。

視察の実施により、緊急の対応に関しては調整もほぼ行き届いていることが見受けられた。今後の支援活動については、UNITALSIと協議を行い、決定する予定である。
イタリアの地震は、4月6日午後3時32分に中部イタリア(ローマから北西85キロ)で発生し、マグニチュード6.3を記録した。AFP通信によると、4月11日時点で死者293人。1万戸の家屋が崩壊し、4万人が家を失った。

(*注1) UNITALSI:Unione Nazionale Italiana Trasporto Ammalati a Lourdes e Santuari Internazionali
障害者の移動・交通を支援するカトリック系イタリア全国組合。ラクイラ県内の避難キャンプにテントを設けて救援物資の配布などの支援活動を行っている。

【派遣者】
津曲兼司 (つまがり けんじ) 医師  医療法人アスカ会所属  AMDA多国籍医師団上級顧問
〈これまでのAMDAでの主な活動〉

  • インドネシア・ニアス島緊急医療支援活動(2005年3・4月)
  • 新潟県中越地震支援活動(2004年11・12月)
  • 阪神・淡路大震災支援活動(1995年1月。震災当日より神戸市長田で活動実施)
  • 1992年より、アジアやアフリカの難民救援・スリランカ医療和平他海外での医療支援活動に従事

谷口敬一郎 (たにぐち けいいちろう) 調整員  特定非営利活動法人AMDA職員
〈これまでのAMDAでの主な活動〉

  • ミャンマー・サイクロン被害に対する緊急支援活動(2008年5・6月)
  • バングラデシュ・サイクロン被害に対する緊急医療支援活(2007年11・12月)
  • ペルー沖地震緊急医療支援活動(2007年8・9月)
  • インドネシア・ジャワ島中部地震緊急救援活動(2006年6月)

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