1月27日にフィリピンマニラに到着したAMDA第3次派遣医療チームは、現地の協力団体と合流し28日ミンダナオ島ダバオ市に到着後、被災地でのこどもたちに対する支援やおかゆの炊き出し、生活物資の配布などを行った。[pagebreak]
28日、ダバオ市内でのニーズ調査の後に活動エリアを決定。29日に物資の準備などを行い、30日にはダバオ市内の約600家族、1000人が暮らしているジェードバレー（Jade Valley）地区で、参加者AMDA派遣者３名、フィリピン沖縄県人会のボランティア2名、フィリピン軍1名、地元ソーシャルワーカー11名、地元一般ボランティア３名、さらに地域の学生や一般市民も大勢参加するなか、子どもたちのストレス緩和のための活動や生活支援物資の配布などの支援活動を行った。

地区にある子どもたちが通うデイケアセンター（幼稚園のようなところ）は建物が無事であったものの、子ども達の使うものが全て泥まみれになってしまい、先生たちは「もう何をしたらいいか分からない」と疲労しきっていた。そこで椅子３０脚、机6台、ノート60 冊やクレヨンなどの支援物資を提供した。

さらに、子どもたちを集めて、おりがみやゲームのアクティビティを実施。AMDA大山調整員やフィリピン沖縄県人会のクリスティーナさんが中心となり、子どもたちとミニゲームを行なった。また子どもたちが元気に遊べるようにと、輪投げやだるま落とし、けん玉を寄付。さらに鶏肉と卵の入ったおかゆ125人分の炊き出しを行った。

先生「本当に感謝している、ありがとうございます。これで希望が湧きました。デイケアの再開を目指して頑張ります。」と表情が和らぎ、子ども達は歓声をあげて大笑いし、「おいしい、ありがとう」と何度も言いながら、栄養のあるおかゆを頬張っていた。

さらに地区の中でも被害の大きかったエリアに住む住民を対象に、医療チームが各家庭を訪問して支援物資を手渡した。これは、被災した住民のほとんどが避難所から出て、自宅の片づけをしていることや、均等に支援が行き渡るように配慮したもので、支援物資として、米2kgとシーツを500世帯分配布した。

支援物資を受け取った住民からは「綺麗な一枚のピーンと張ったシーツが自分のところに来たんだよ！」「日本って遠いところからきて、１件１件家に来てくれて、手渡してくれたんだよ！すごいよー嬉しい、本当にありがとう！」という声が聞こえた。
本地区は12月４日に発生した台風24号で甚大な被害をうけたあと、さらに１月21日には豪雨で川が氾濫し、深刻なところでは地上から4m近くまで浸水し、人々は屋根の上に逃げて救助を求め、川沿いの家は全半壊した。死者・行方不明者はなかった。活動を行った30日時点でも、水の引いていないところがあり、水が引いた場所でも、日用品などがすべて泥にのまれて、日常生活を取り戻せないで状況だった。そのため、AMDAチームの支援は一層喜んで迎えられた。

2月1日にすべての活動を終えて、AMDA医療チームは帰国の途についている。

■現地パートナー団体
・フィリピン国軍（Armed Forces of the Philippines）
・フィリピン沖縄県人会（Philippines Okinawan Society）
・CSSDO（地元ソーシャルワーカー）

■日本からのAMDA医療チーム派遣者
山路　未来：看護師／AMDAプロジェクトオフィサー／岡山県在住
大山マージョリー：調整員、岡山倉敷フィリピーノサークル　/岡山県井原市在住
福岡　賢二：調整員、BERT（Bikers Emergency Response Team）/兵庫県神戸市在住

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