パキスタン地震 南西部地震に対する緊急支援活動2 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

パキスタン地震 南西部地震に対する緊急支援活動2

9月24日にパキスタン南西部バロチスタン州(Baluchistan)で発生したマグニチュード7.7(米地質調査所:USGS発表)の地震被害に対して、AMDA本部から9月27日に看護師(AMDAプロジェクトオフィサー)を、バロチスタン州に隣接するカラチ(Karachi)に派遣し、28日からカラチを拠点に、現地協力団体NRSPと合流し、地震の被害を把握するための聞き取り調査と支援のニーズ調査を開始した。[pagebreak]

29日には、カラチにある2つの医療機関を訪れた。国立病院JPGMI(Jinah Post Graduate Medical Institute)では約60人の被災者が着の身着のままトラックなどに乗り来院していた。患者は女性や子どもが多い。これは地震が発生した時間に男性は外出しており、女性や子どもが家にいたためである。家屋の下敷きになったことによる、四肢の骨折や脊椎の損傷、内臓損傷が多くみられた。病院に来ている被災者は地震で家族を亡くした人も多く、特に家族を失った子どもの精神的ダメージが大きい。公立病院は無料で診療を受けられるため、地元被災者の多くが公立病院を受診しており、私立病院は公立病院で診ることができない重症患者のみが搬送されている。私立のアガカーン病院(Agakhan Hospital)では、市民病院から2人の重症患者が搬送されてきていた。うち一人は、複雑骨折により搬送されてきたものの意識があり、AMDA看護師に対して「わざわざ日本からありがとう。自分たちが忘れられていないと思うと嬉しい」と語った。

病院では患者と付添者に無料で水や食糧を提供していることから、AMDAは国立病院JPGMIへ水などの支援物資を寄贈した。

さらに現地協力団体 のNRSPを通じてアワラン県のアワラン地区にて、小麦、米、砂糖、紅茶、豆などの食料パック300セットを被災者に配布した。また、被災地では多くの家 屋が崩壊し、被災者の住居の需要が高いことから、アワラン地区の最も被害の大きかった貧困に苦しむ10家族を対象に竹製の仮設テントを支援した。

NRSPの初期調査によると、バロチスタン州アラワン県で530人、ケーチ(Kechi)県で44人、少なくとも合わせて574人の死亡と、632人の負傷が報告されている。この数には瓦礫の下にいる人々は含まれておらず、今後増える見込み。地震があったバロチスタン州は、治安上の問題から同国人も入域に危険を感じるという地域であり、被災地には診療可能な医療機関がほとんどないことから、負傷者は自力でトラックなどに乗ってカラチ市内の病院を受診している。

■派遣者プロフィール
岩本 智子(いわもと ともこ)
AMDA本部職員 プロジェクトオフィサー/看護師(米国ライセンス)

■AMDA街頭募金
パキスタン南西部地震緊急支援活動のための街頭募金を行いました。
皆様のご協力ありがとうございました。
日時:  10月3日(木) 11時00分〜12時00分
場所:  岡山高島屋 正面玄関前あたり
参加者: AMDAボランティア、AMDA職員等

【皆様からの募金を受け付けております】
●郵便振替:口座番号01250-2-40709
口座名「特定非営利活動法人アムダ」
●楽天銀行:ロック支店 店番202 普通預金7002547
口座名「特定非営利活動法人アムダ」
●銀行振り込み:中国銀行(銀行コード168) 奉還町支店(店番102)
普通口座2070291 口座名「特定非営利活動法人アムダ」
●クレジットカード募金:
AMDA全日信販カード:http://amda.or.jp/content/content0001.html