ボスニア・ヘルツェゴビナ洪水 被災者に対する緊急医療支援活動3 – AMDA(アムダ)
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国連経済社会理事会総合協議資格NGO

ボスニア・ヘルツェゴビナ洪水 被災者に対する緊急医療支援活動3

ボスニア・ヘルツェゴビナとセルビアを中心としたバルカン半島で5月13日に発生した低気圧により、1894年以降の観測史上最悪となる豪雨に見舞われ、地滑りや、川の氾濫などによりボスニアの約40%が洪水の被害を受ける非常事態となった。[pagebreak]

このような状況の中、5月16日にAMDAボスニア支部長から救援要請の第一報が入り、AMDA本部から看護師1名を21日に、被災地へ派遣。AMDAボスニア支部の医師らと合流し、現地の状況調査を行い、29日まで支援を必要としている被災者への戸別訪問を行い、健康チェックや支援物資の提供などを実施した。日本からの看護師の訪問に、
「気にかけてくれて本当に感謝している。」、
「わざわざ日本から来てくれてありがとう。自分たちのことを考えくれる人がいると思うとうれしい。」
とAMDAチームに感謝の言葉がかけられた。

未だ支援を必要としている人がいるため、AMDA看護師の帰国後の6月からはAMDAボスニア支部が中心となり被害の大きかったドボイ(Doboj)、サマック(Samac)を中心に、戸別訪問による支援活動を継続している。

外出して支援や医療サービスを受けることが難しい、支援が必要と判断された被災者を対象に、6月17日までにのべ93人(ドボイ37人、サマック56人)の自宅を訪問し、食糧支援、健康チェック、心理カウンセリング、必要に応じて、遠隔精神カウンセリングなどを行った。支援を受けた人たちからは、日本の人たちがボスニア洪水で被害を受けた人たちのことを忘れていないことに驚き、喜んでおり、支援に対する感謝の声が多く聞かれた。

また1995年まで続いた内戦のため心的外傷後ストレス障害(PTSD)をもっている患者も多く、今回の洪水により再び、精神的ショックを受けている状況が見られた。このような状況から、精神的サポートの必要性が高いと判断されたため、今後もカウンセリングを中心とした支援活動を継続して行っていく。

なお、直接被災者の支援にあたっているのはAMDAボスニア支部のセルビア人、クロアチア人医師2名。本支援事業が医療を通じた平和構築につながるものとして、支援対象者の選定については、民族や宗教に関係なく支援が必要と判断される家族に対して行っている。

被災から1か月が経過した6月中旬時点では、水は引いているものの、商店や個人病院など被害の大きかった場所では再開のめどが立っていない。またサマック市内の学校は避難所となっており、夏休みを早めて休校の状態が続いており、被災者は未だに避難所生活を続けている。また、ドボイ市内には避難所がないため、自宅を被災した人々は、親戚や近所の人の家に身を寄せている。いずれの地域も、水道水を飲み水として使用することができないため、飲料水としてペットボトルの水を使用しており、食べ物はあるものの十分とは言えない状況が続いている。

なお、この洪水による被害はボスニア・ヘルツェゴビナだけでなく、隣国セルビアやクロアチアにも被害が及んでいる。3国を合わせた死者数は53人、被災者数は約313万人と報告されている。さらにボスニア・ヘルツェゴビナの被災者数は、同国の人口383万人のうち150万人。これは人口の39%が被災していることを示している。(ACAPS:Assessment Capacities Project  5月23日発表)

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