フィリピンでの東北大震災の犠牲者に祈りを捧げる「医療と魂のプログラム」
2011年10月2日、フィリピンの首都マニラで、AMDAフィリピン支部の主導による「医療と魂のプログラム」が開かれた。同国で10回目となった今回の式典は、今年3月11日に甚大な被害を生んだ東日本大震災の犠牲者に祈りを捧げるために行われた。式典は日比両国の国歌に続き、AMDAフィリピン支部のプリミティヴォ・チュア代表の挨拶で始まった。そして、ハイメ・シン枢機卿(注1)の護衛隊の一行とコロンブス騎士(注2)会 が祈りの歌と共に入場した。
(注1)ハイメ・シン枢機卿:カトリック枢機卿でフィリピン国民の精神的な指導者と言われる。1972年着任、2003年離任。
(注2)コロンブス騎士会:1882年設立。カトリック教会に属し、伝道や慈善活動など教会の活動に従事する奉仕団。4thDegree(第4番目)とはメンバーの中でも最高の地位を指す。
式典には異なる信仰を持つ神父や住職らが出席し、震災で命を失った人々の霊魂を慰めるため、多数の宗教に沿った祈りを捧げた。また、各界の要人からは、震災下にある日本の人々を励ますメッセージが送られた。その多くには共通して「私たちフィリピン人は、あなたたちと共にある兄弟です。頑張って下さい。」という強い願いが込められていた。この他、ニューマン・ライフ・インターナショナルの理事長、グローバルピースアソシエーションのフィリピン支部の事務局長、ライオンズクラブ・マニラ市中国人街の代表、アジア・モバイル医療サービスの代表、アジア医学生連絡評議会の代表がメッセージを送った。
岡山市の篠原真祐住職とAMDA本部のヴィーラヴァグ職員も式典に参列した。篠原住職は仏教の御経を上げ、地元のカトリック教会や、エヴァンジェリカル教会、またオーソドクス教会の牧師らはミサを行った。ヴィーラヴァグAMDA職員は、菅波代表に代わり平和と団結を祈るメッセージを読み上げた。また、マニラ在住の日本人も、地域のフィリピン人の住人と共に式典に参加した。参加者は、お香に火を灯し、犠牲者の冥福を祈った。
式典に招かれたゲストらは、地域の住民らが世界平和を祈る歌を唄う中、感謝状を授与された。AMDAフィリピン支部のアルヴァ医師とゴンザレス医師が、参列者に昼食のお誘いをして式は閉会した。