フィリピン台風21号緊急医療支援活動 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

フィリピン台風21号緊急医療支援活動

【活動概要】
期間:2006年12月1日から
活動場所:フィリピン共和国アルバイ州

【被災状況】
2006年11月30日にフィリピン共和国、ルソン島南部を台風21号(台風ドリアン、現地名レミング)が横断した。同島南部アルバイ州では、マヨン火 山周辺の火山灰が大雨により泥流となって麓の村々に流れ込み、大規模な被害となった。フィリピン共和国災害調整委員会(NDCC: National Disaster Coordinating Council)によると、12月16日までに、死者734人、負傷者2,360人、行方不明者762人、倒壊家屋は228,436軒に上った。また、ラ イフラインの破壊も深刻であり、アルバイ州では、災害発生から20日経ったが電気と水の供給は滞ったままである。
この度の台風被害に鑑み、AMDA本部では、AMDAフィリピン支部長チュア医師と災害発生時フィリピン滞在中であったAMDAインドネシア支部長タン ラ医師と協議を行い、緊急医療支援活動の開始とAMDA多国籍医師団(AMMM)の派遣を決定した。

【活動参加人数】
医師18人(フィリピン支部2人、インドネシア支部2人、ネパール支部2人、現地医師6人) 看護師18人(日本人1人、現地看護師17人) 調整員6人 (本部職員1人、フィリピン・アシジの聖フランシスコ・デフ・センターからの調整員1人、フィリピン金光教平和活動センター1人他)  計44人

【活動結果】
被災者の避難所としては、地元の小学校が使用されるケースが多く見られ、被災者は1教室に37人から50人が生活するという過酷な生活を強いられていた。 アルバイ州知事の許可を受け、フィリピン医師会と協働する形で、12月5日レガシピ市近郊のカムリン(Camalig)にて巡回診療を開始した。診療に訪 れる被災者の中には、傷の処置に加えて、感冒や気管支炎、肺炎等の急性呼吸器感染症をうったえる患者が多く見受けられた。その後15箇所で巡回診療を行 い、インフラの復旧と医療サービスの回復を確認したことにより、12月21日の診療を最後に活動を終えた。今回の緊急救援は、被災者が多く、AMDAの巡 回診療箇所を訪れた患者は、少ないときでも160人、多いときには800人を超えた。5日から21日までの15日間(巡回診療を行った日数)の患者総数は 5,558人であった。